全日本の人事はV-leagueを左右する。
今も尚、東京オリンピックは続いているが、全日本男女の闘いは終わった。
男子は29年ぶりの決勝ラウンド進出を果たし7位。女子はアトランタオリンピック以来25年ぶりの予選ラウンド敗退で10位と明暗が分かれた。
本当に男女の立場が逆になってしまった。
女子はアジア選手権を辞退したことにより今年の活動は終わりだが、男子はまだ、日本開催のアジア選手権が残っている。
こうした中、清水邦広選手は代表引退を表明した。
幸い、V-leagueにて現役は続行するとのことだが、清水選手にとっては明るい未来に包まれた理想的な引き際となった。
また、石川祐希選手とともに全日本男子の未来を切り開くエース・西田有志選手は更なる飛躍を求めイタリア移籍を明言した。
恐らく、中垣内監督体制は継続し、第二期に突入する。ブランコーチの去就が気掛かりだが、残留なら更にパワーアップしてくれるに違いない。
問題は女子だ。
ここまで壊滅的だと、中田久美監督の解任は免れない。
正直、悪いバレーボールをしていたとも思わないが、5年間でメダルはアジア選手権のみ。
四大大会全て日本開催でメダルゼロではもはや言い訳は出来ない。
正直、バレーボールが固すぎた。
特に人事。
東京オリンピックはレギュラーを固めるには時間が無さすぎたし、人事も含め柔軟さのなさが露呈されてしまった。
その最たる例が古賀紗理那選手の故障と地盤沈下だ。
不動のエースの故障は痛恨の出来事だったが、何よりも、前哨戦であるネーションズリーグですら選手を試していないのだ。当然、レギュラーを固定し過ぎるということは綻びが出た時その反動が出る。
だから、控え選手の抜擢も不慣れで、想定より結果が出なかった。
男子も本番はメンバーを固定したが、劣勢の時は総入れ替えに近い形で反撃に出て、選手起用に柔軟さがあり、その差は歴然としていた。
また、ほとんど使わなかったミドルブロッカー4名が仇となった。そのため、古賀選手の穴を埋めるサイドアタッカーも石井、林選手両名に絞られてしまった。
これなら鍋谷選手や長岡選手を起用するなり、井上選手を起用してリベロ二枚体制でも良かった筈である。
世界選手権での教訓が全く活かされなかった。
何よりも、人事、人材起用が下手だった。
これまで再三綴ってきたように人事のスピードが遅く、初年度は登録だけ。二年続けて活躍しないと使って貰えないというやり方では、旬の選手がいつまで経っても使って貰えず、チームの進化が遅くなるばかり。
男子のように、福澤、柳田選手を蹴ってまで大学生二名を抜擢するなどのスピード感が欲しい。
こんなことをやっていると、せっかくV-leagueで活躍しても選手にチャンスが巡ってこない。
試合中も選手を引っ張り過ぎで変えるべき時に決断出来ず、思い切った交代も乏しい。
東京オリンピックではリリーフサーバーと守備固め、大きくビハインドからのセッター交代ぐらいで二枚換えすら余り行わなかった。
初年度こそメンバー入れ替えがスムーズかと思ったが、あれはフェルハトコーチの存在があればだったのだろうか?
この人事の下手さ、動きが保守的過ぎるところだけはどうしても受け入れられなかった。
どのみち、この五年間が現状維持すら果たせなかった以上、早急な方向転換が必要だ。
なにしろパリオリンピックまで三年しかない。
正直、吉原知子監督は反対しない。
V-leagueの試合を見ている方ならお分かりだが、どっしり構えていて、おどおどしたところがない。
タイムアウト中も必要のある時だけ声掛けしているし、何よりも評価しているのは、リーグ連覇という実績は元より、必要に応じて選手を入れ替え、優勝出来る体制を組み立ててきたことだ。
選手起用も思い切りが良く、林琴奈選手や籾井あき選手はルーキー当時からレギュラーとして抜擢。
両名は見事に育ち、全日本でも活躍している。
現役のV-leagueの監督からであればピカイチ。
ただ、引っ掛かることがひとつ。
全日本女子は中田監督も含め女性監督の成功例が全くないことだ。
吉原監督は大物だが、人事がスパッとして割り切っているところや男子バレーのエッセンスを加えたほうが良いのではないだろうか?
外国人監督にするのであれば、ジョバンニ・グイデッティ監督クラスの大物を招聘して違うエッセンスを加えるべきかもしれない。
また、中田監督の後継と見られた相原昇コーチの入閣だが、さすがに成果が出ていない状態での監督昇格に関しては難色を示す。
アンダーカテゴリーの監督経験も少なく、正直"時期尚早"。ステップアップするのであれば、アンダーカテゴリーで実績を積んでから。
男性監督にするのであれば、なるべく若くて実績のある指導者が欲しい。
眞鍋政義さんの再任の可能性もあるが、その眞鍋ジャパンで活躍し、アンダーカテゴリーでの経験も豊富な安保澄さん(現ヴィクトリーナ姫路)はどうだろうか?
安保さんならアンダーカテゴリーから選手を見ているので教え子も多く、これからはこうした叩き上げの監督が育ってこないと、日本の女子バレーの未来は明るくない。
また、思い切ってバレーボールを根本から変えたいのであれば、岡山シーガルズの河本昭義監督を推したい。
正直、しつこいまでのディグと高速コンビ、巧みなブロックアウトは海外チームの最も嫌がるバレーボールで、本来、日本が目指す方向はこちら。
また、河本監督が目指すバレーが世界に通用するのか見てみたい気がする。
もし、岡山の変則的かつ固い守りと粘り強さに、全日本選手の高さと打力が加わったらどうなるか?
非常に興味深い。
また、個人的には元NECレッドロケッツの山田晃豊さんも推したい。
山田さんは久光全盛時に二度優勝した名将で、情熱的なチームを作れるのではないか、の期待がある。
今がその時期かというと?がつくが、チャンスは早々巡ってこない。
やるならこれが最後のチャンスかもしれない。
いずれにしても、そう遠くない時期に次の全日本監督が決まる。
今はそれを待ちたい。
今も尚、東京オリンピックは続いているが、全日本男女の闘いは終わった。
男子は29年ぶりの決勝ラウンド進出を果たし7位。女子はアトランタオリンピック以来25年ぶりの予選ラウンド敗退で10位と明暗が分かれた。
本当に男女の立場が逆になってしまった。
女子はアジア選手権を辞退したことにより今年の活動は終わりだが、男子はまだ、日本開催のアジア選手権が残っている。
こうした中、清水邦広選手は代表引退を表明した。
【バレー】清水邦広が代表引退「次の代表の未来は 若い選手に託します! 凄く頼もしい選手ばかりです!」(バレーボールマガジン)- Yahoo!ニュース #vleague #zennippon #Tokyo2020 https://t.co/pxX25icALs
— 排球博客 (@haikyublog) August 5, 2021
幸い、V-leagueにて現役は続行するとのことだが、清水選手にとっては明るい未来に包まれた理想的な引き際となった。
また、石川祐希選手とともに全日本男子の未来を切り開くエース・西田有志選手は更なる飛躍を求めイタリア移籍を明言した。
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— スポーツブル【公式】 (@sportsbull_jp) August 3, 2021
🏐西田有志、来季イタリア1部移籍を明言
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恐らく、中垣内監督体制は継続し、第二期に突入する。ブランコーチの去就が気掛かりだが、残留なら更にパワーアップしてくれるに違いない。
問題は女子だ。
ここまで壊滅的だと、中田久美監督の解任は免れない。
正直、悪いバレーボールをしていたとも思わないが、5年間でメダルはアジア選手権のみ。
四大大会全て日本開催でメダルゼロではもはや言い訳は出来ない。
正直、バレーボールが固すぎた。
特に人事。
東京オリンピックはレギュラーを固めるには時間が無さすぎたし、人事も含め柔軟さのなさが露呈されてしまった。
その最たる例が古賀紗理那選手の故障と地盤沈下だ。
不動のエースの故障は痛恨の出来事だったが、何よりも、前哨戦であるネーションズリーグですら選手を試していないのだ。当然、レギュラーを固定し過ぎるということは綻びが出た時その反動が出る。
だから、控え選手の抜擢も不慣れで、想定より結果が出なかった。
男子も本番はメンバーを固定したが、劣勢の時は総入れ替えに近い形で反撃に出て、選手起用に柔軟さがあり、その差は歴然としていた。
また、ほとんど使わなかったミドルブロッカー4名が仇となった。そのため、古賀選手の穴を埋めるサイドアタッカーも石井、林選手両名に絞られてしまった。
これなら鍋谷選手や長岡選手を起用するなり、井上選手を起用してリベロ二枚体制でも良かった筈である。
世界選手権での教訓が全く活かされなかった。
何よりも、人事、人材起用が下手だった。
これまで再三綴ってきたように人事のスピードが遅く、初年度は登録だけ。二年続けて活躍しないと使って貰えないというやり方では、旬の選手がいつまで経っても使って貰えず、チームの進化が遅くなるばかり。
男子のように、福澤、柳田選手を蹴ってまで大学生二名を抜擢するなどのスピード感が欲しい。
こんなことをやっていると、せっかくV-leagueで活躍しても選手にチャンスが巡ってこない。
試合中も選手を引っ張り過ぎで変えるべき時に決断出来ず、思い切った交代も乏しい。
東京オリンピックではリリーフサーバーと守備固め、大きくビハインドからのセッター交代ぐらいで二枚換えすら余り行わなかった。
初年度こそメンバー入れ替えがスムーズかと思ったが、あれはフェルハトコーチの存在があればだったのだろうか?
この人事の下手さ、動きが保守的過ぎるところだけはどうしても受け入れられなかった。
どのみち、この五年間が現状維持すら果たせなかった以上、早急な方向転換が必要だ。
なにしろパリオリンピックまで三年しかない。
ということを踏まえ、早く人事を進めなくてはならない。
【バレー女子監督 吉原知子氏浮上】https://t.co/mXisK0ljSC
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) August 2, 2021
東京五輪で決勝トーナメントに進めなかったバレーボール女子日本代表は、次期監督の有力候補にVリーグ、JTで監督を務める吉原知子氏が挙がっていることが判明。中田久美監督の任期は東京五輪までとなっていた。
正直、吉原知子監督は反対しない。
V-leagueの試合を見ている方ならお分かりだが、どっしり構えていて、おどおどしたところがない。
タイムアウト中も必要のある時だけ声掛けしているし、何よりも評価しているのは、リーグ連覇という実績は元より、必要に応じて選手を入れ替え、優勝出来る体制を組み立ててきたことだ。
選手起用も思い切りが良く、林琴奈選手や籾井あき選手はルーキー当時からレギュラーとして抜擢。
両名は見事に育ち、全日本でも活躍している。
現役のV-leagueの監督からであればピカイチ。
ただ、引っ掛かることがひとつ。
全日本女子は中田監督も含め女性監督の成功例が全くないことだ。
吉原監督は大物だが、人事がスパッとして割り切っているところや男子バレーのエッセンスを加えたほうが良いのではないだろうか?
外国人監督にするのであれば、ジョバンニ・グイデッティ監督クラスの大物を招聘して違うエッセンスを加えるべきかもしれない。
また、中田監督の後継と見られた相原昇コーチの入閣だが、さすがに成果が出ていない状態での監督昇格に関しては難色を示す。
アンダーカテゴリーの監督経験も少なく、正直"時期尚早"。ステップアップするのであれば、アンダーカテゴリーで実績を積んでから。
男性監督にするのであれば、なるべく若くて実績のある指導者が欲しい。
眞鍋政義さんの再任の可能性もあるが、その眞鍋ジャパンで活躍し、アンダーカテゴリーでの経験も豊富な安保澄さん(現ヴィクトリーナ姫路)はどうだろうか?
安保さんならアンダーカテゴリーから選手を見ているので教え子も多く、これからはこうした叩き上げの監督が育ってこないと、日本の女子バレーの未来は明るくない。
また、思い切ってバレーボールを根本から変えたいのであれば、岡山シーガルズの河本昭義監督を推したい。
正直、しつこいまでのディグと高速コンビ、巧みなブロックアウトは海外チームの最も嫌がるバレーボールで、本来、日本が目指す方向はこちら。
また、河本監督が目指すバレーが世界に通用するのか見てみたい気がする。
もし、岡山の変則的かつ固い守りと粘り強さに、全日本選手の高さと打力が加わったらどうなるか?
非常に興味深い。
また、個人的には元NECレッドロケッツの山田晃豊さんも推したい。
山田さんは久光全盛時に二度優勝した名将で、情熱的なチームを作れるのではないか、の期待がある。
今がその時期かというと?がつくが、チャンスは早々巡ってこない。
やるならこれが最後のチャンスかもしれない。
いずれにしても、そう遠くない時期に次の全日本監督が決まる。
今はそれを待ちたい。