バレーボール界は慌ただしい。
V-leagueの余韻に浸る暇もなく、全日本だ。

異例の早さだ。

2020年全日本女子バレーボールチームメンバー発表」→http://volleyballjapan.blog.jp/archives/34327092.html

本音をいえば、しばらくはまだ、V-leagueの余韻に浸るというか、今季について振り返ってみたかった。

そんな中でいきなり頭から水をぶっかけられたような心持ちになった。

正直、今年の全日本人事はどうなのだろう?

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ポジション別に並べてみる。

※赤字は2019年全日本メンバー
※橙字は世界ジュニア・アジア選手権メンバー
※紺字はユニバーシアードメンバー

・セッター

宮下遥選手 94/09/01 177cm 
岡山シーガルズ S 

田代佳奈美選手 91/03/25 173cm 
デンソーエアリービーズ S 

関菜々巳選手 99/06/12 170cm 
東レアローズ S 

佐藤美弥選手 90/03/07 175cm 
日立リヴァーレ S 

松井珠己選手 98/01/10 170cm 
日本女子体育大学4年(デンソーエアリービーズ内定) S


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セッターは正直、中田監督がこれ以上迷いたくないから絞った。そういう風にも取れなくないが、選手は昨年の全日本の主力と中田ジャパンで最も活躍した田代選手。そして、世界ジュニア選手権でも活躍した松井選手。

V-leagueの優勝、三位チームからはセッターが選ばれていない。

特にV-leagueの優勝セッターが選ばれないこと自体おかしい。籾井選手は高卒ルーキーながら正セッターとしてリーグ優勝に導いた手腕が認められなかった。

"一体、何が判断基準なのか?"と言いたい。




・ウイングスパイカー

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黒後愛選手 98/06/14 180cm 
東レアローズ OH (総得点)

古賀紗理那選手 96/05/21 180cm 
NECレッドロケッツ OH (総得点15位)

新鍋理沙選手 90/07/11 173cm 
久光製薬スプリングス OH 

石井優希選手 91/05/08 180cm 
久光製薬スプリングス OH 

鍋谷友理枝選手 93/12/15 176cm 
デンソーエアリービーズ OH 

長内美和子選手 97/07/19 175cm 
日立リヴァーレ OH 

吉野優理選手 99/12/16 173cm 
埼玉上尾メディックス OH 

井上愛里沙選手 95/05/08 178cm 
久光製薬スプリングス OH 

石川真佑選手 00/05/14 173cm 
東レアローズ OH 

工藤嶺選手 97/12/05 175cm 
デンソーエアリービーズ OH 

林琴奈選手 99/11/13 173cm 
JTマーヴェラス OH 

曽我啓菜選手 01/03/25 173cm 
NECレッドロケッツ OH 


確かに新顔は増えている。

とはいえ、主力は誰も削られていない。


結局、長岡望悠選手は間に合わず、東京オリンピックの晴れの舞台を踏むことはなかった。


工藤嶺選手と林琴奈選手は今年の頑張りが認められた。

が、それ以外は昨年の世界ジュニア選手権・アジア選手権組とユニバーシアード組。

井上選手は中田ジャパン発足時、次期エースと期待されながら活躍の場がない。

結局は使う側の問題としか思えない。


サイドアタッカーで唯一、アタック決定率がベスト10に入る渡邊真恵選手も。
総得点ランキング日本人トップの金田修佳選手も。

特に金田選手はサーブレシーブ成功率もランキング7位で、今やV-leagueを代表する堂々たるパスヒッターだ。

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筆者は別に岡山シーガルズ贔屓ではないが、これは納得出来ない。

それに
長岡選手がいないのに、生粋のライトが新鍋選手と曽我選手だけ。黒後選手は今季ライトに入ったが、元々はレフト。

ライトの機動力、得点力を埋めきれなかったように移るが…。




・ミドルブロッカー

岩坂名奈選手 90/07/03 187cm 
久光製薬スプリングス MB 

荒木絵里香選手 84/08/03 186cm 
トヨタ車体クインシーズ MB 

芥川愛加選手 91/04/03 180cm 
JTマーヴェラス MB 

奥村麻依選手 90/10/31 177cm 
デンソーエアリービーズ MB 

渡邊彩選手 91/04/23 176cm 
トヨタ車体クインシーズ MB 

入澤まい選手 99/06/02 188cm 
日立リヴァーレ MB

及川真夢選手 96/06/26 175cm 
岡山シーガルズ MB 

山田二千華選手 00/02/24 184cm
NECレッドロケッツ MB 


まず…。
アタック決定率で日本人トップの大野果歩選手が何故いない?

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昨年の全日本の主力は全員残っている。
とはいえ…。

各部門でトップ争いをした荒木選手、サーブでも活躍した芥川選手はともかく、今年の岩坂選手は目立つ活躍が出来ていない。

入澤、山田選手。特に山田選手のアンダーカテゴリーでの活躍は目覚ましく、いずれ全日本を背負う選手となるので期待値込みというのは分かる。

どのみち、東京オリンピックはミドルブロッカーはせいぜい3名。
いつまでもお手盛り人事という訳にはいかない。

普通に考えれば、奥村、荒木、芥川選手の三名で決まりだが、そこに若手が割って入るか?

その前にチャンスが貰えるかどうか?
これまでの成り行きからすると、それも怪しい。


リベロ。 

井上、小幡、山岸選手は納得の数字をあげてはいるが、では何故、2,3位の榊原、楢崎選手が選ばれていないのか?


山岸あかね選手 91/01/08 165cm 
埼玉上尾メディックス L 

水杉玲奈選手 00/04/06 165cm 
東レアローズ L 

小幡真子選手 92/08/15 164cm 
JTマーヴェラス L

井上琴絵選手 90/02/15 163cm 
デンソーエアリービーズ L 



以上を踏まえた全日本人事について一言言うなら

今年の全日本は、シニア、アンダーカテゴリー混合編成が主体で、これには協会側のテコ入れが感じられる。

が…。

なんのためのV-leagueなのか?

どのみち、今年が駄目なら、今の全日本は総辞職。
いや引責辞任、
ハラキリである。

どのみち、予選免除で本線出場は決まりだが、今年のオリンピック出場チームは前回のリオデジャネイロオリンピック以上の強豪揃い。

グループ分けの内容次第では、予選敗退もあり得る。よくよく考えてチーム作りをしないと、伝説は伝説でも、違う意味になりかねない。

希望があるとしたら、相原昇コーチだ。

東龍じこみの伝統の超高速コンビでチームを立て直して欲しい。

アナリストも増えたので、徹底的な相手の分析を行って欲しい。


とにかく
全日本が弱いと女子バレーボール全体の大きな地盤沈下すら予想される。

だから、あえてこう言わせて貰う。

やれんのか、おいっ!

もう後がない。
良いものは良い。
悪いものは悪いで
キャリア問わずバッサリやって貰いたい。

選手は皆、一生懸命やっている。
あとは使う側の問題。

最大級の叱咤激励と解釈して貰えれば幸いである。