この時期にしては異例の早さだが、来季のV-leagueの大略が発表された。

少々長いが、まず目を通して頂きたい。


_20190719_193216

■2019-20 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN 大会要項 

 1. 大会名 
 「2019-20 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN」とし、略称を「V1女子」とする。

 2. 開催期間  
V・レギュラーラウンド: 
2019年10月12日(土)~2019年12月29日(日)

 V・ファイナルステージ: 

【チャレンジ4】 
2020年1月11日(土)~2020年1月13日(月・祝) 

【ファイナル8】 
2020年1月11日(土)~2020年1月19日(日)   

【セミファイナル】 
2020年1月25日(土)  

【ファイナル・3位決定戦】 

2020年1月26日(日) 

 3. 参加チーム(計12チーム)

 プレミアカンファレンス: 
久光製薬スプリングス
デンソーエアリービーズ
NECレッドロケッツ
日立リヴァーレ
岡山シーガルズ
ヴィクトリーナ姫路  

スターカンファレンス: 
東レアローズ
JTマーヴェラス
トヨタ車体クインシーズ
埼玉上尾メディックス
KUROBEアクアフェアリーズ
PFUブルーキャッツ

 4. 競技方法

 (1) 12チームを6チームずつの2つのカンファレンスに分け、それぞれ3回戦総当たり方式によるV・レギュラーラウンドを行う。  

(2) 両カンファレンスによる交流戦を1回戦総当たり(全36試合)方式で行う。  

(3) それぞれのカンファレンス上位4チーム(計8チーム)を2グループに分け、4チームによる1回戦総当たりの「ファイナル8」を行う。ファイナル8の結果により5位~8位のチームの最終順位が確定する。各グループの上位2チームにて「セミファイナル」を行い、その勝者が「ファイナル」に進出し、その敗者が「3位決定戦」に進出する。

 (4) それぞれのカンファレンスの下位2チーム(計4チーム)による1回戦総当たりの「チャレンジ4」を行い、その下位2チームが「V・チャレンジマッチ」に進出する。(V2リーグにS1ライセンスを持ったチームが2位以内に入った場合のみ実施する)

 (5) 全試合5セットマッチで行う。


 5. 順位決定方法 V・レギュラーラウンド: 

(1) V・レギュラーラウンドの順位は、勝利数が多いチームを上位10ミリとする。2チームまたはそれ以上のチームの勝利数が並んだ場合は、ポイントの高いチーム、ポイントも並んだ場合はセット率の高いチーム、セット率も同率の場合は得点率の高いチームを上位とする。なお、得点率も同率となった場合は、当該チーム間での計算を行い、勝利数、ポイント、セット率、得点率の順で上位チームを決める。 

 (2) ポイントは以下の通り、付与する。 条件 ポイント 「3-0」もしくは「3-1」での勝利 3点 「3-2」での勝利 2点 「2-3」での敗戦 1点 「0-3」もしくは「1-3」での敗戦 0点 ※棄権または何らかの理由で不戦敗となった場合は、0-25、0-25、0-25で敗戦したものと見なす。 

V・ファイナルステージ(ファイナル8・チャレンジ4): 

(1)ファイナル8・チャレンジ4の順位は、ポイントが多いチームを上位とする。そのポイントは、V・ファイナルステージ進出時に付与されるアドバンテージポイント(持ち点)と試合で付与されるポイントの合算とする。

2チームまたはそれ以上のチームのポイントが並んだ場合は、V・ファイナルステージの勝利数が多いチーム、勝利数が並んだ場合はセット率の高いチーム、セット率も同率の場合は得点率の高いチームを上位とする。

なお、得点率も同率となった場合は、V・レギュラーラウンドにおける当該チーム間での計算を行い、勝利数、ポイント、セット率、得点率の順で上位チームを決める。

 (2) ファイナル8・チャレンジ4進出チームにはV・レギュラーラウンドの順位に基づき、次のアドバンテージポイント(持ち点)を付与する。  

ファイナル8:カンファレンス1位・3点、2位・2点、3位・1点、4位・0点 チャレンジ4:カンファレンス5位・1点、6位・0点  

(3) ポイントは以下の通り、付与する。 
条件 ポイント
「3-0」もしくは「3-1」での勝利 3点 
「3-2」での勝利 2点 
「2-3」での敗戦 1点 
「0-3」もしくは「1-3」での敗戦 0点 

※棄権または何らかの理由で不戦敗となった場合は、0-25、0-25、0-25で敗戦したものと見なす。

V・ファイナルステージ(セミファイナル・3位決定戦・ファイナル):  

(1) セミファイナル・3位決定戦・ファイナルでは、アドバンテージポイント(持ち点)の付与はしない。

 (2) セミファイナル・3位決定戦・ファイナルでは、1戦方式とし、勝敗により順位を決定する。  



DSC05707


途中「上位10ミリ」という不明瞭な表現があったが、大筋はこうだ。

まず、V-1。

①プレミア、スターの2カンファレンスに分かれ、レギュラーラウンドを闘う。(3回総当たり+交流戦1回戦)

②それぞれのカンファレンスの上位4チームずつがファイナル8に進出。

③それぞれのカンファレンスの下位2チームずつがチャレンジ4に進み、下位2チームがV・チャレンジマッチ(入れ替え戦)に回る。

それぞれのカンファレンス上位4チーム(計8チーム)を2グループに分け、4チームによる1回戦総当たりの「ファイナル8」を行う。

④各グループの上位2チームずつが「セミファイナル」に進出する。

⑤「セミファイナル」はトーナメント一戦形式とし、敗れたチームは3位決定戦にまわる。

⑥「ファイナル」は一発勝負の一戦形式とする。

おおまかにはこんな感じだ。


昨年からの相違点としては…。

1.東西分けが廃止され、カンファレンス分けがシャッフルし直しとなった。

力関係がいびつになりすぎた昨李を思えば致し方なし。


2.来季は交流戦の数が減少し一回戦のみとなった。

まず、当ブログでも提唱していた通りとなった。
これは公式戦、交流戦の対戦数が同じだったため東西格差が付きすぎたことを受けてのものだろう。


3.ファイナル8を2グループに分けた。

これは昨季までなかったシステムだ。
こうすることにより、8チーム一緒くたによる格差の大きさと、それに伴う退屈さを緩和する目的と考える。2グループが拮抗した場合、スリリングなファイナル8となることが期待される。


4.チャレンジステージからチャレンジ4に名称変更された。

こちらは昨年のチャレンジステージが名称変更されたのみでシステムは同じ。


5.ファイナル4以降は一発勝負のトーナメント形式。3位決定戦が登場し、ゴールデンセットが廃止。

この形式はネーションズリーグなどの国際大会と同じものとなった。
また、敗れてもそれまで実施されなかった3位決定戦が実施され、メダルマッチ形式で争われるのでファンにとってはボーナスマッチが増えて楽しみがふえた。

また、ファイナルがその分ワンマッチとなり、昨年までの2勝ルールとゴールデンセットが廃止された。
昨年女子は初めてゴールデンセットが実現し大きな盛り上がりを見せたが、試合が長丁場となりスタミナの消耗が激しいので、ある程度は納得する。


また、大きな相違点はここだ。

148faf75


6.レギュラーラウンドの通過順位優先が廃止された。

毎年、ファイナルステージになると最終順位を決める際、ポイント同点の場合、レギュラーラウンドの通過順位が優先されたりする傾向があった。

来季はポイント上位をファイナル4進出の条件とし同点の場合は勝利数、セット率、得点率の順で決めるところにある。

これでレギュラーラウンド通過順位による有利・不利はなくなるため、最終戦を待たずにファイナル8敗退というケースは若干減少されるだろう。


続いて来季のV-2の実施要項を掲示する。

こちらも少々長いがお目通し願いたい。

DSC05097


大会要項 V.LEAGUE DIVISION2 WOMEN 2019-20 

 ■2019-20V.LEAGUE DIVISION2 WOMEN大会要項

 1. 大会名 「2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 WOMEN」とし、略称を「V2女子」とする。

 2. 目的 本リーグは、V.LEAGUEの未来を担う若手の育成を目的として形成する。 

 3. 開催期間

 V・レギュラーラウンド: 
2019年11月9日(土)~2020年2月9日(日)  

4. 参加チーム(計8チーム) 
JAぎふリオレーナ
群馬銀行グリーンウイングス
プレステージ・インターナショナルアランマーレ
大野石油広島オイラーズ
GSS東京サンビームズ
柏エンゼルクロス
ブレス浜松
ルートインホテルズブリリアントアリーズ

5. 競技方法

 (1) 8チームによる3回戦総当たり方式によるリーグ戦を行う。

 (2) 全試合5セットマッチで行う。  

6. 順位決定方法

 (1) V・レギュラーラウンドの順位は、勝利数が多いチームを上位とする。2チームまたはそれ以上のチームの勝利数が並んだ場合は、ポイントの高いチーム、ポイントも並んだ場合はセット率の高いチーム、セット率も同率の場合は得点率の高いチームを上位とする。なお、得点率も同率となった場合は、当該チーム間での計算を行い、勝利数、ポイント、セット率、得点率の順で上位チームを決める。 

 (2) ポイントは以下の通り、付与する。 条件 ポイント 「3-0」もしくは「3-1」での勝利 3点 「3-2」での勝利 2点 「2-3」での敗戦 1点 「0-3」もしくは「1-3」での敗戦 0点 ※棄権または何らかの理由で不戦敗となった場合は、0-25、0-25、0-25で敗戦したものと見なす。 

DSC05220


既にご存知の通り、来季のV-2は8チームによるレギュラーラウンド3回総当たり戦のいたってシンプルな形で争われる。

そのため、下記の点が変更されている。

1.昨年のファイナル6、ファイナルは廃止される。

比較的好評だったV-2のファイナルステージは廃止された。盛り上がりを見せた大会だったので残念だ。

また、今回変わったのはチャレンジマッチ(入れ替え戦)についてだ。


■2019-20V.LEAGUE 入替戦  

1. V1・V2入替戦(女子)
 (1) 大会名:
 V・チャレンジマッチ ~2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN 出場決定戦~

 (2) 開催期間: 
2020年2月22日(土)・23日(日)

 (3) 参加チーム;
V1・11位チームとV2・2位チーム、V1・12位チームとV2・1位チーム 

※ V2チームが2020-21V.LEAGUE・S1のライセンスを満たしていない場合、V・チャレンジマッチは開催しない。  

(4) 場所:サーラグリーンアリーナ(浜北総合体育館)

(5) 競技方法:  
▽ 2戦方式で戦い、上位チームを勝者とする。 ▽ 全試合5セットマッチとする。 

(6) 順位決定方法:  
▽ 順位は、勝利数が多いチームを上位とする。2チームの勝利数が並んだ場合は、ポイントの高いチーム、ポイントも並んだ場合はセット率、セット率も同率の場合は得点率の高いチームを上位とする。  

▽ ポイントは以下の通り、付与する。 
 条件 ポイント 
「3-0」もしくは「3-1」での勝利 3点 
「3-2」での勝利 2点 
「2-3」での敗戦 1点 
「0-3」もしくは「1-3」での敗戦 0点 

※棄権または何らかの理由で不戦敗となった場合は、0-25、0-25、0-25で敗戦したものと見なす。

 (7) 備考: V2リーグの上位2チームのいずれかがS1ライセンス不交付の場合、またV1リーグにおいてS1ライセンス不交付が決定したチームが発生した場合のV・チャレンジマッチの開催については別途定める。 


 ■開催要項(全ディビジョン共通)  
1. 主催 : 
一般社団法人日本バレーボールリーグ機構 

2. 共催 : 
公益財団法人日本バレーボール協会

3. 主管 : 
ホームチームまたは開催地バレーボール協会  

4. 競技規則 : 
公益財団法人日本バレーボール協会6人制競技規則による。 ただし、Vリーグ機構が定めた規程、または2019-20V.LEAGUEに対する通達および取り決めがある場合は、それを優先する。 

8. 試合球:ミカサ社製カラーボール(V200W:検定球5号・人工皮革)  

13. チャレンジシステム: DIVISION1 MEN・WOMEN のみ使用する。  

14. 大会名の表記: 大会名は「2019-20 V.LEAGUE」と表記する。 


DSC05393


せっかくカンファレンス分けがシャッフルされ直したのに、相変わらずチャレンジマッチの実施システムが不明瞭だ。

普通に考えればこうだ。

・V-1の各カンファレンスの最下位チームとV-2の上位2チームでチャレンジマッチを闘えばよい。

こうしないと何のためのレギュラーラウンドなのかどうも説得力を欠く。もしチャレンジ4の形式にこだわるのなら、各カンファレンスずつでチャレンジマッチ進出決定戦をやればいい。

・S-1ライセンス保持によるチャレンジマッチ実施の是非について

これは毎年問題となっているが、せっかくシーズン通じて頑張るチームが優秀な成績を収めても、ライセンスを保持していないという理由だけで入れ替え戦に出場出来ないのはおかしい。

そこで下記を提唱する。

・S-1ライセンス保持がないチームでもチャレンジマッチを実施し、該当チームが入れ替え戦に勝利した場合、特待生扱いで昇格を認めVリーグ機構がバックアップする。

普通に考えれば、勝てるチームがV-1に昇格出来ないのはおかしい。世の中には奨学金のような制度もあるので、同様にライセンス保持を満たしていないチームがV-1昇格の資格を満たした場合、Vリーグ機構が特待生扱いでバックアップし昇格を認めればいい。

その間にライセンス保持の条件を満たすよう優遇措置を認め、2年間の期限とし、体制作りに協力すればよい。

こういうことをやらないから、V-leagueは新規参入チームが増えないのだ。

考えて欲しい。
バレーボールチームにとって、一番大切なことは何か?

強いことであり、ライセンス保持が大切なのではない。

強ければ人気も出て、スポンサーも集まる。
そうした実力あるチームがトップリーグに昇格する際の弊害を取り除くのがVリーグ機構の役割。

本来、そうでないといけない。
ここだけはそう遠くない将来、実現して欲しい。

上記はひとつの懸案事項でしかないが、突き放すだけなら誰でも出来る。
問題は発展を前提に何が出来るのか?

日本のV-leagueは目先の金儲けばかりに固執するが故に発展しなかった。
物事の本質を見据え、根本にある問題点を鑑み、将来を見据えた運営を考えないと結局はシステムを変えても赤字体質の改善が実現しない。
だから、いつまで経ってもプロ化が実現しなかった。

リーグが新しくなっている以上、悪い点は早急に変えるべき。
運営側の裁量が問われる。

以上が来季2019/20シーズンにおけるV-leagueの概略と変更点、問題点と考える。

ともあれ、楽しみなシステムも増えたので来季はより楽しめそうだ。

各チームの奮闘に期待したい。