個人的な全日本への感想を言えば、ネーションズリーグが何勝何敗とか、正直どうでもいいと思っています。

ただ、格下相手に負けてしまうのはあまりよろしくない。

思うのはそんなところです。

負けにも内容があって、あまりに不甲斐ないと士気に関わるからです。

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直近で言うとベルギー戦です。

恐らく第一次ラウンドは2勝1敗、そう踏んでいた人も多いでしょう。

負けは負けだから仕方ありませんが、勝ち負けよりもだらしのない、しまりのない試合をしていました。

要所をきっちり絞めていれば勝てた筈。
中田監督の不満はそこにあった筈です。筆者はそちらのほうが気になりました。

指揮官はチームの士気も含め、出る大会全てメダルを公言します。勿論、そこには建前や立場もあるでしょう。

でも、そんなに簡単に勝てるなら、必死こいてやりません。

全ては今年の目標となる大会までにピークに持っていくことです。

「全日本女子バレーボールの今日、そして明日〜東京オリンピック編〜」も含め、様々なコメントを頂きましたが、今はまだナショナルチームが編成されてさして時間も経過しておらず、65%程度かもしれません。

昨年の世界選手権当時と比較するのも無意味ですし、これから3ヶ月ぐらい掛けてベストに持っていく過程の段階です。

だから、今の時点で何勝何敗とかどうでもいいと思っています。

ただ、指揮官が気にしているのは、現時点の段階でやるべきことをやれているか、という部分です。

前にも書きましたが、おかしな負け癖が付かないよう、適当に締まっていること、やれる範囲でのベスト、特に勝つべき場面でキッチリ勝つこと。

ここはぶれてはならないところです。


今の時点での全日本が駄目とも思いません。
また、やる気がある選手、結果を出している選手は積極的に起用していったほうが士気もあがるし、競争意識も高まります。

ただ、これが難しい問題で、先行き有望な選手の起用には、考え方が二通りあり

・なるべく多くの経験を積ませたい。

・データを取られないよう、温存したい。

概ねこの二つです。

理想を言えば、早い時点でその見極めが出来た場合なら温存してしまうのも手ですし、逆に積極起用して、成長を促すのも一手です。

例えば古賀選手。
2015年シーズンで有名になったコースを打ち分けてもフォームが一致するというアレです。

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ただ、宣伝しすぎてしまったために翌年は警戒され研究されたこともあり、2016年は活躍出来ませんでした。

それが原因かどうかはともかく、あれだけ活躍してしまうと、翌年以降はマークもきつくなるのは明らか。

これはあくまで希望ですが、ワールドカップにしろ、東京オリンピックにしろ展開を変える切り札的な存在は作っておきたいです。


特にセッターとアタッカー。

日本はディグで拾いまくりそこからラリーに持ち込んで活路を見い出すスタイル故に、スタミナの消耗が激しく、どうしても総力戦になりがちです。

よって、誰が出てもコンスタントに活躍出来るチーム作りと同時に、展開を変える切り札をセッターとアタッカーで一枚ずつは持ちたいです。

となると、セッター二枚は全く違うタイプ同士の組み合わせがよく、アタッカーは古賀、石井、黒後、あるいは長岡選手が出ても苦戦した際、サーブレシーブがこなせて機動力やスピードが特徴の選手が欲しいです。


例えばロンドンオリンピック。

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ミドルの主力は荒木、大友選手でしたが、井上選手のブロック力と山口舞選手とのコンビはスピードで撹乱する切り札として奥の手でありました。

木村選手を軸に江畑選手と迫田選手の併用も臨機応変でしたし、江畑選手は準々決勝の中国戦で、迫田選手は3位決定戦の韓国戦でそれぞれ活躍しました。

当時の全日本の目標はアメリカとブラジルに勝つことでしたが、今は中国とセルビアです。

次いでアメリカ。
そしてブラジル、イタリア、オランダ、ロシア。

当時とは図式が異なりますが、今年の目標として打倒アメリカは果たしたいところ。

かつて眞鍋ジャパンがそうだったように、ライバルチームの攻略法はワールドカップまでにまとめ、最低4位以内に入りたいところ。


だから、この時期は今の時点でやれるベストを目指しつつ新戦力テストやチーム力アップやデータ解析を行う大事な時期なのです。
よって勝ち負けなど、ある意味度外視で構わないと思っています。
 

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例えば、まだこの段階ではありますが鍋谷選手と長内選手の活躍が顕著で、後々切り札的な存在になれる可能性を秘めています。

ただ、セッターは佐藤、関選手ともに甲乙つけがたく、今後も選択が難しいところ。

ただ、五人のセッターがいるのは前向きに考えてもいいですし、今年であらかた固まるでしょう。

だから余計に全員に均等にチャンスは与えて欲しいとは思います。


もう、来年は東京オリンピックなのですから。