本当ならば予定通り、今日はWeekly Volleyballの発行日ですが、予定を繰り上げてバレーボール夜話を先行させることにします。

既に「全日本女子バレーボールの今日、そして明日〜東京オリンピック編〜」でもお伝えしていますし、yahooなど一般のニュースソースでも大きな話題となっている全日本女子バレーボールチームのコーチ、フェルハト・アクバシュコーチの退団についてです。


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これは、他の如何なる出来事とも比較にならない、結構な大事件です。

えらいことになりました。

※おおよその内容は「全日本女子バレーボールの今日、そして明日〜東京オリンピック編〜」に記載されておりますので、こちらを御高覧下さい。→http://blog.livedoor.jp/tighteenapple-volleyballjapan/archives/30460097.html?jprank=3&cat=186


成績不振での解任はスポーツ界では良くある話ですが、フェルハトコーチの退任はそういう訳でもありません。

一番、何が不味いのかというと、全日本女子バレーボールチームの中核を担うヘッドコーチが向こう二年間、すっぽり抜けてしまうことは元より、全日本の内情が筒抜けになってしまうことです。

軍隊でも部隊機密と言うものがありますが、全日本女子バレーボールチームの内部事情をよく知るフェルハトコーチがいなくなるということは、その内情が筒抜けになった場合、もう二度と同じ戦術では闘えません。

これと良く似たケースが過去の日本にもごさいました。

徳川家きっての重臣、石川和正が突然出奔。豊臣秀吉の調略によるものとされていますが、徳川家の内情を知り尽くしている石川和正の出奔に徳川家が慌てたのは言うまでもなく、以後、徳川家の軍制は武田流に全て変更を余儀なくされたといいます。

徳川家康が迎えた危機の中でも最大級のもののひとつであったとされています。

中田ジャパンは体制発足二年足らず。
それも最初の大山である世界選手権を終えたばかり。そんな中、中核であるフェルハトコーチの離脱に対する影響は図り知れません。
万が一、この一件が引き金となり全日本の地盤沈下が進むようであれば、日本バレー界全体に与える影響が甚大です。

同体制最大の目標である東京オリンピックに向けて、暗雲が垂れ込めてきました。


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今にして思えば、伏線がなかった訳ではありません。全日本女子バレーボールチームは二年目になってから体制が少々変わっています。

福田コーチが退団し、強化委員長が宮下直樹さんから寺廻太さんに変更。トレーナー、コーチ、アナリストさん、栄養士さんなど数名外れ、規模が縮小しています。

あくまで推測でしかありませんが、昨年まではほぼフェルハトコーチに任せっきりだった采配も、ネーションズリーグの途中辺りから中田監督の介入が増え、もしかしたらこの辺りから不協和音が流れていたのかもしれません。

巷で流布している話では、フェルハトコーチに向こう16ヶ月間日本に留まるよう要請し、断念したとのことですが、いずれにしてもフェルハトコーチがいなくなった以上、誰かしらの参入はあると思いますし、もっと重要なことがございます。

フェルハトコーチが他国のコーチに招かれても、東京オリンピックまでは断るよう、布石を打ったかどうかです。

今の日本バレー界の実情を思えば、これは単なる不和などては済まない問題です。前述の話ではありませんが、そうでもしない限り、全日本の内情は筒抜けです。



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ただ、邪推ではありますが、まだ悲観する必要は余りないのかもしれません。

と申しますのも、全日本が現体制になってから、他国に知られてはまずいような特殊な試みは、まだあまり行っていない、ということです。

初年度はテンポの速いレセプションアタックの強化とボールを落とさない強化。
昨年はサーブレシーブ、ディグ、サーブ、ブロックの強化。

主にこれらの部分はチームの土台作りで、新しい試みはまだありません。

つまり、2019年からが仕上げの段階で、核心の部分です。もしかしたら、フェルハトコーチに16ヶ月間日本に留まるよう要請したのは、2019年以降の活動が重要機密にあたる部分の保持に関わるためであるため、この段階で辞めて貰った可能性も高いのです。

だとしたら、はじめから二年契約だった可能性もなきにしもあらず、です。
可能性は薄いですが…。


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以上は推測の話ですが、誰がフェルハトコーチの代わりとして来ても、ここからは一蓮托生でなくてはならず、今後も体制がグラグラ動くようであれば、とてもではありませんが、東京オリンピックでのメダル獲得など、夢のまた夢となってしまいます。

言わずもがな、現在の全日本女子バレーボールチームは、四大大会に予選免除で全て参加出来るという、最も恵まれている環境にあります。

これで四大大会全てでメダルなしになれば、体制の刷新は勿論、日本のバレー界の今後の動向に暗雲が垂れ込め、以後の存続が怪しくなります。

男子はブランコーチが事実上ヘッドコーチで、試合での指揮はほぼ全権、ブランコーチが握っていると申し上げても良いでしょう。

ただ、世界選手権でベスト8が目標だった男子とは違い、女子の目標はメダル獲得であり、現状では重みが違います。

言うなれば、全日本女子の動向は日本バレー界の今後を大きく左右するのです。

本来であれは、全日本の話題はこのブログの専門範疇ではありませんが、このような危機的な状況で悠長に構えている訳にはいかず、あえて書かせて頂きました。

本件が吉兆なのか、凶を呼ぶものなのか、まだ判断がつきかねますが、いずれにしても、今後の全日本女子の活動に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

正式な発表は日本バレーボール協会からなされるそうですが、果たして、どうなることやら…。