バレーボールの話ではないが、巷で話題となっているニュースがある。

読売ジャイアンツ生え抜きスター選手の長野久義選手を、広島東洋カープの丸佳浩選手の人的保証として獲得した。

この話題について、ファンの方もそうでない人も「またか」と思った筈である。

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先日、巨人の生え抜きエースだった内海哲也選手も炭谷銀仁朗選手の人的保証で西武に移籍したばかり。

そもそも、人的保証とは何か?

FA宣言(いずれの球団とも選手契約を締結できる権利をもつ選手のこと。「国内FA」権を取得するには原則として8シーズン、「海外FA」権を取得するには9シーズンの出場選手登録日数が必要である) した選手を獲得した球団は、その選手の前所属球団に金銭か新たな選手を補償するよう野球協約で定められている。移籍先球団の外国人選手と、その球団が選んだ28選手を除く選手の中から、前球団が選び獲得できる。 とある。

つまり、巨人は内海、長野選手をプロテクト(球団が選んだ28選手)の中に入っていなかったことが示唆される。巨人側は広島に両選手を獲られても何の文句も言えない。

この内海⇔炭谷、丸⇔長野というFAは果たして上手くいくのか、それは来シーズン以降の結果を見てみないことには何とも言えない。
ただ、日本には元々、御恩と奉公の封建的体質が根強く、選手をチェスの駒のようにとっかえひっかえするアメリカ流が日本に入ってきて、違和感を感じる人は少なくない。

元々、生涯一君に仕えるという考え方は、江戸時代になってから。この時代から明治、大正を経て日本には武士道の考え方が根付き、主君を度々変えるのは不忠者との考え方が日本の根幹となった。

ただ、今はそういう時代ではない。

プロ野球はプロスポーツなので、様々な選択肢があってもよいと思う。実際、ドラフトのシステムも幾多の変遷があって、今日がある。


ただ、この話と直面するにつれ、今は対岸の火事かもしれないが、V-leagueの選手獲得、移籍に関しても疑問はある。


V-leagueはプロリーグでない。
そのため、新人選手獲得には規定がない。
あるのは外国人はアジア枠を含め最大二名という使用規定があるだけだ。

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バレー界にはドラフト制度のような仕組みがないから、選手は各チームとのオファー次第、或いはチームと母校とのコネクションなどが主で、稀ではあるが、先日の岡山シーガルズの及川選手のように自分から売り込みに行く例もある。
 
ほぼほぼ自由獲得だが、それが許されるのは、バレーボール自体か世間からさほど注目を集めていないからだ。


ただ、チーム間の移籍が緩和されつつある今、新人選手の入団について、今後全体での規定が必要になるかもしれない。

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勿論、この仕組みはまだまだ先のことだろうが、有力選手が一定のチームへの入団を希望した場合、そのチームの一人勝ちという状況が延々と続く懸念があるからだ。

これが3年、4年と続いたら、もはや他のチームは太刀打ち出来なくなるだろう。

このような状況が続いた場合、他チームは有力外国人選手の獲得に力を入れ、アジア枠もフル活用が当たり前となり、最終的には財力のあるチーム以外勝てなくなる。

それでは、見る側の興味が次第に削がれていく。


かつてF1の世界でマクラーレンホンダが16戦15勝という輝かしい金字塔を打ち立てたが、反面、マクラーレンホンダのセナかプロストのどちらが勝つという落ちが見る前から見えてしまい、挙げ句に「退屈症候群」とまで揶揄された。

この例に漏れず、常に勝つチームと負けるチームは同じ。これでは、見ている側はいずれ退屈になる。
そうした懸念がある。


バレー界の行く末は流動的で、東京オリンピックの結果次第という側面がある。

だが、中高大、特に高校、大学といった各カテゴリーでそれぞれ優秀な成績を収めた選手が偏りなくチームに振り分けられるような配慮は必要かもしれない。

ドラフト制度は早い話、入札だと財力のあるチームに有力選手が偏ってしまうので、競合となった選手を抽選で決める仕組みだが、V-leagueの話題作りにもなるので、取り入れても良いかもしれない。

また、プロ野球と同様にフリーエージェントのような仕組みがあれば、キャリアのある選手がより厚待遇を求めてチーム選択の自由を得ることが出来る。

ただ、あの「人的保証」のようなシステムは歓迎しない。このシステムは正直反対で、トレードのほうがまだ良かった気がする。

内海、長野選手の例に漏れず、結果として自分がプロテクト外だったことを知る訳で、あまり関心しない。


ちなみにサッカーのJリーグの新人獲得はどうか?

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・アカデミー(下部組織)からの昇格。
U-18チームで育てた選手は、そのクラブに契約の優先権がある。

・外部からの新卒採用。

Jを志望する選手は、試験や公式戦がない期間を利用し、各クラブの練習に参加することが多い。

野球選手の場合、ドラフト制度には、自分の意志で進路を選べないデメリットがある。

バレーボールの場合立ち位置はJリーグに近い自由獲得で、規定は殆どない。

スーパーリーグ構想の頃、下部チームの保有が条件として存在したが、これはJリーグを模倣したものと見られる。この案件は母体となる企業への資金的負担が大きすぎて却下されている。

ただ、実際は岡山シーガルズが中国学園大学や大阪国際滝井高校をほぼジュニアチーム化しているのを始め、唯一のプロチームであるヴィクトリーナ姫路など各チームでも同様の試みがある。

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日本国内で高身長の選手が求められるのは、主にバスケットボールとバレーボール。競合になるので、下部組織で育成するのは、選手流出を防ぎ予め青田買いするという意味でもメリットはある。

V-1が現在東西11チーム、将来的には12チームとなることが予想される以上、新人選手の獲得に関する規定と移籍に関する具体的な指針がいずれ求められる。


先日の話ではないが、身長180cm以上、最高到達点300cm以上の選手が争奪戦となる側面がある以上、新人選手の獲得並びにキャリアのある選手の選択肢が増え、偏りのないリーグ編成となるよう、そう遠くない将来、何らかの制度を作る必要がありそうだ。