昨日、JTマーヴェラスの優勝を以て終了した黒鷲旗大会を以て、2017/18シーズンは幕を閉じた。

DSC03515

本大会は結果として今季の優勝を争った同士である久光製薬スプリングスとJTマーヴェラスとの間で争われ、JTがリベンジを果たす形となった。

今年はきたる新リーグにむけて、例年になく体制変更・退団選手の発表が早く、黒鷲旗大会は各チームのお別れ会のようなムードに包まれ、優勝後、敗退後に各チームの胴上げが随所でみられた。

号泣するチーム、サバサバしたチーム。スタンスはそれぞれだが、今季の各チームの歩みと今後について占ってみる。


今回は2017/18シーズンのプレミアリーグのチーム①から。




・久光製薬スプリングス

DSC03465

・2017/18Vプレミアリーグ
レギュラーラウンド:21勝
ファイナル6:4勝1敗
ファイナル3:2勝
ファイナル:2勝

・天皇杯・皇后杯
1勝1敗:準々決勝敗退

・黒鷲旗大会
グループ戦:3勝
決勝トーナメント:2勝1敗 準優勝

通算:35勝3敗

人事:
(入団):井上愛里沙選手、比金みなみ選手、中川美袖選手

(退団):未発表


・今季のベストメンバー

野本(今村) アキンラデウォ  新鍋
栄(古藤)  岩坂       石井
L:戸江、筒井

_20171121_220529

今季は無敵の強さを誇った久光製薬スプリングス。最大目標はVプレミアリーグの全勝優勝だったが、ファイナル6でJTマーヴェラスに敗れたものの、リーグでは29勝1敗の好成績を収め他を圧倒して優勝した。

完全制覇を目論見挑んだ天皇杯ではデンソーの脅威の粘りの前に準々決勝で敗退。
黒鷲旗大会で決勝戦でJTに敗れるも、第一人者としての実力を遺憾なく発揮した。

天皇杯と黒鷲旗とではスタンスが異なり、黒鷲旗大会は若手選手を中心とした全体の底上げが第一とされ、早くも来季を意識したチーム作りが計られている。

まだ、アキンラデウォ選手の去就も含め新体制の発表はまだだが、サマーリーグ前には発表される見通し。

勿論、来季もナンバーワンに最も近い位置にいるのは言うまでもない。


長所:反省を踏まえ、弱点を放っておかないこと。これに尽きる。酒井監督は実質初年度、昨年は中田総監督の下故障者続出で決勝戦で無念の涙を呑んだ。その反省を踏まえ、今季は主力を休ませ、かつ控え選手の活用をし、全体の活性化を図った。また、今季で言えば弱点だったサーブとブロックの改善がファイナル3で行われ、短期間での改善に成功している。勿論、根底には中田監督の闘争心が根差しており、より一層のチーム力の拡大に成功している。

課題:拡大した選手の有効活用と全体の底上げ、この一点に尽きる。



・JTマーヴェラス

DSC03396

・2017/18Vプレミアリーグ
レギュラーラウンド:13勝8敗
ファイナル6:5勝
ファイナル:2敗

・天皇杯・皇后杯
1勝1敗:準々決勝敗退

・黒鷲旗大会
グループ戦:3勝
決勝トーナメント:3勝 優勝

通算:25勝11敗

人事:
(入団):目黒優佳選手、林琴奈選手、ヒックマン・ジャスティス選手

(退団):奥村麻依選手、金杉由香選手、寺井有美選手、木村千春選手


・今季のベストメンバー

ミハイロビッチ 奥村  目黒
田中美     芥川  田中瑞(金杉) 
L:小幡


今季は故障者が多く、ベストメンバーが組みにくかったJT。開幕直後に田中瑞稀選手と柴田選手、更に橘井選手が戦線離脱。苦しい中、金杉選手が台頭。内定選手の目黒選手が早くもレギュラーとして活躍、さらにファイナルでは林選手もスタメンとして抜擢されるも、今季のスローガンである何がなんでも優勝は果たせなかった。

完全制覇を目論見挑んだ天皇杯では優勝したトヨタ車体に敗れ準々決勝で敗退。

黒鷲旗大会では準決勝で岡山シーガルズと大会史上に残る大激戦の末決勝進出。勢いに乗る形で久光を圧倒し優勝を飾り、リーグのリベンジを果たした。

既に奥村、金杉、寺井、木村選手の4名が退団することが発表されており、このオフの間は来季に向けた新体制作りが課題となる。

まず、冒頭で述べたように故障者の多さがシーズンに強く影響した。田中瑞稀選手の復調も含め、来季は故障者を出さないこと、そして、早めに体制を固めることが最大の焦点となる。


長所:何といっても競り合いの強さ、闘争心。まずここが全ての根幹。技術的にはミハイロビッチ選手主体の得点からの脱却、ミドルを中心としたコンビバレーとサーブの強化が顕著だった。

課題:来季はサーブレシーブとサーブを固めつつ、奥村選手の後任が期待される小川選手などミドルの育成、レギュラーを伺う林選手の育成など課題は多い。



・トヨタ車体クインシーズ

FB_IMG_1520042080113

・2017/18Vプレミアリーグ
レギュラーラウンド:11勝10敗
ファイナル6:2勝3敗
ファイナル:2敗

・天皇杯・皇后杯
3勝:優勝

・黒鷲旗大会
グループ戦:3勝
決勝トーナメント:1敗 準々決勝敗退

通算:19勝16敗

人事:
(入団):杉郁香選手、薮田美穂子選手、山形理沙子選手

(退団):竹田沙希選手、平松美有紀選手


・今季のベストメンバー

高橋     荒木   ネリマン
比金     渡邊   小田(竹田) 
L:榊原、佐藤

23346893 (1)

躍進の年となったトヨタ車体。ラヒモワ選手に代わったネリマン選手は抜群の瞬発力を生かし攻守に渡り活躍。開幕では小田選手が出遅れ、村永選手が穴を埋め、今季から移籍の渡邊選手がミドルのレギュラーとして活躍、中屋選手の台頭など明るい話題も多かった。中盤以降、サーブレシーブの補強、ピンチサーバーなど献身的にチームを牽引した竹田選手の奮闘もあり、天皇杯ではデンソーとの同門対決の死闘を制し優勝。レギュラーラウンドを3位で通過するとファイナル6も2勝3敗でファイナル3に進出。残念ながら久光の壁を崩せず3位で終える。黒鷲旗大会では、準々決勝まで全勝で通過するも、岡山シーガルズの脅威の粘りの前にフルセットの末敗退。ここにシーズンを終えた。

既にチームの精神的支柱であった竹田、平松選手の退団が発表されており、チームの若返りと体制の強化が当面の課題となる。

来季は激戦区の西スタート。より一層の飛躍が期待される。


長所:チームに複数人のキャプテン、あるいはキャプテン経験者がいることが最大の強み。サーブの強化が顕著でブロックにも強みがある。ネリマン選手を中心にミドルのコンビとサーブで突破口を開くスタイル。

課題:チームの象徴たる竹田選手が抜けて、リーダーシップという点でもチーム力の強化が求められる。また、比金選手に続くセカンドセッターの育成、サーブレシーブの強化が引き続き課題。サイドアタッカーの有効活用・育成も課題。



・デンソーエアリービーズ

IMG_20180430_204444

・2017/18Vプレミアリーグ
レギュラーラウンド:11勝10敗
ファイナル6:2勝3敗

・天皇杯・皇后杯
2勝1敗:準優勝

・黒鷲旗大会
グループ戦:2勝1敗
決勝トーナメント:1勝1敗 準決勝敗退

通算:17勝16敗

人事:
(入団):東谷玲衣奈選手、佐野伶奈選手、早坂梢依選手

(退団):石井里沙選手、森田麻実子選手、堀江彩選手、丸元美緒選手、宮本菜月選手


・今季のベストメンバー

鍋谷    フュルスト  石田(堀江)
田原    石井     坂本(工藤) 
L:中川、小口

DSC01461

チャレンジリーグⅠの優勝を引っ提げてプレミア復帰したデンソー。石田選手をライト固定、鍋谷選手をエースにバックアタックを積極的に取り入れ、スピードを信条としたバレーボールを展開。二枚替えも特徴のひとつ。坂本選手が鍋谷選手の対角のレフトとしてレギュラーで活躍。成長著しい工藤選手とともに躍進を担う。天皇杯では久光をフルセットの末今季初の土をつけ決勝進出。トヨタ車体とフルセットの末敗れるも準優勝。レギュラーラウンドではトヨタ車体と同成績ながら4位通過でファイナル6進出。2勝3敗ながらレギュラーラウンドの持ち点が響き4位でシーズンを終える。
天皇杯では岡山に敗れるもNECをストレートで破り決勝トーナメント進出。東レを破り準決勝進出を果たすも久光にストレートで破れ、ベスト4で姿を消した。

チームはいち早く引退を表明した堀江選手をはじめ、石井里沙選手以下、森田、丸元、宮本選手の退団が発表された。

来季は東からのスタート。より一層の飛躍が期待される。


長所:スピードバレーが信条。得意のサーブ攻勢で崩して先手を取るスタイル。来季は大竹選手の復帰で高さが増す。サイドアタッカーが豊富で伸び盛りの選手が多い。サーブやサーブレシーブでも活躍した朝日選手、今後の復活が期待される中元選手など豊富。競り合いに強い。

課題:パワーヒッターが少ないので、工藤、中元選手への期待が大きい。マルチプレイヤー石井選手が抜けるため、サーブレシーブの安定が第一。高さが加わるとより一層の活躍が期待される。



[画像:5279b3b7-s.jpg]

近年は昨日の敵は今日の友のような人事か増えている。春高の決勝を闘った東レの黒後愛選手と小川愛里奈選手、全日本インカレの決勝を闘った井上愛里沙選手と比金みなみ選手とこうしたケースが増えている。

ついこの間までライバルチームだった同士が手を組み切磋琢磨するのは不思議な光景かつ面白い。

編成変えとなる来季、果たして開幕のラインナップはどうなるだろうか?(続く)