竹下佳江さん以降、全日本で活躍したセッターのチームは軒並み不振になっている。

何故だろう?

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2013年
宮下遥選手(岡山シーガルズ)
→2013/14シーズン2位 

橋本直子選手(JTマーヴェラス)
→2013/14シーズン7位

中道瞳選手(東レアローズ・引退)
→2013/14シーズン3位 


2014年
中道瞳選手(東レアローズ・引退)
→2014/15シーズン6位 

宮下遥選手(岡山シーガルズ)
→2014/15シーズン4位 


2015年
宮下遥選手(岡山シーガルズ)
→2015/16シーズン6位

古藤千鶴選手(久光製薬スプリングス)
→2015/16シーズン優勝


2016年
宮下遥選手(岡山シーガルズ)
→2016/17シーズン7位

田代佳奈美選手
→2016/17シーズン6位


2017年
冨永こよみ選手(上尾メディックス)
→2017/18シーズン(7位*)

佐藤美弥選手(日立リヴァーレ)
→2017/18シーズン(8位)
*は暫定。


どういう訳か全日本で活躍したセッターは翌年以降不振に陥っている。

何故だろうか?

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橋本選手の頃、竹下さんや大友さんなど主力選手が抜け、JTは低迷期に入る。


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中道選手は全日本で活躍した翌年、アキレス腱痛もあり、その年限りで引退(のち一時的に復帰)。


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宮下選手が本格的に全日本レギュラーとなった2016年以降、チームは7位に低迷。



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古藤選手もまた、2015/16シーズンは優勝するも、レギュラーを中大路選手へ譲り渡す。



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冨永選手と佐藤選手はともに2017/18シーズンで苦戦。

まるで呪縛である。


あくまで推論だが…。


まず、国内と国外ではやってるバレーボール自体が全く違う。

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日本でやってるバレーボールとは高さとパワーは上でも、その分穴も大きく、緻密さが特徴の日本バレーとは異なるので、体の大きさが異なる代表チームとの対戦で通用した手法が同じ大きさ、タイプも同じ日本国内では通用しないのではないか、と。

Vリーグでは拾って繋いで、ラリーに持ち込むが、全日本では高さとパワーが中心であまりラリーにはならず、大柄な分高さはあっても隙が多く、小技が通用する。

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が、サイズの同じVリーグでは通用しない。

何よりも、全日本でシーズンをすごしたまま、準備期間もないままVリーグに復帰し、戸惑いの中でシーズンを迎える。

これが理由のひとつなのでは…。


実際、岡山シーガルズの河本監督は、宮下選手がミドルを使えなくなったきっかけはハイブリッド6からと指摘しており、所謂「全日本病」が顕著。

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人間は一度染み付いた癖は、簡単には治らない。

セッターのみならず、かつては全日本で活躍するとVリーグで活躍出来ないジンクスがあり、日本に復帰した木村沙織選手も、Vプレミアリーグ復帰初年度は思うように活躍出来なかった。

ただ、今季に限っていえば別で、全日本で活躍して自信を付けた鍋谷選手や堀川選手のように、一皮も二皮も剥けた選手も多い。


それはさておき。
全日本セッターの負の連鎖は、まだ終わっていない。

こういう状況が続くと、セッターが固定出来ない現象が今後も続くかもしれない。

竹下さん以降、長期政権を築くセッターがまだ、現れていない。

中田監督も、昨年、まず、キャプテンとセッターと明言したが、二人のセッターの甲乙はついていない。
 

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Vリーグでは現在、セッター二枚体制が顕著で、試合の展開を変えるのに大きく貢献しており、セカンドセッターの着手に出遅れているチームは軒並み苦戦傾向にある。

もしかしたら、これからの時代。
昨年同様、全日本でもセッター二枚体制が定着するかもしれない。


それを踏まえての、2018全日本。
どうなる、2018セッター。

興味はつきない。