普通に考えると、Vリーガーになれるだけでも凄い。
県大会で上位、あるいは高校三冠に出場できるだけでも能力的には抜けている。

そもそも、高校三冠の出場チームの顔ぶれを考えると、殆ど私学、それも中学時代から引く手あまたで越境入学する選手も多い。

下北沢成徳、東龍、九州文化学園、就実、金蘭会、古川学園など、高校野球の例に漏れず私学が圧倒的に強い。

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そんな中でもVリーガーになれるのは年間でも一握り。

Vリーガーは全国のバレーボーラーのエリートである。
必ずしも全国大会に出場する選手だけがVリーガーになれる訳ではないが、確率的には高い。

更に高校生の頃から全日本に選出されるとなると宝くじの1等に匹敵する難関を掻い潜ったスーパーエリートだ。しかも、高校時代敵同士だった選手同士がチームメイトとなったり、全日本で一緒になるから面白い。

現在、東レアローズでチームメイトの黒後選手と小川選手は春高で決勝を争った下北沢成徳と就実のエース同士。その二人が同じチームで闘っているのだから面白い。

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体育会系、完全なピラミッド式社会である。

現在、現役のVリーガーはのべ400未満。
そのうち全日本に駒を進めるのは約25/400。

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全体のおよそ1/16ぐらいの割合なので
1チームに一人ぐらいの難関である。

では、現在のVリーグの中で全日本経験者が何人ぐらいいるか、調べてみた。

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・久光製薬スプリングス
11/19

・NECレッドロケッツ
4/16

・日立リヴァーレ
4/17

・JTマーヴェラス
5/15

・トヨタ車体クインシーズ
4/17

・東レアローズ
5/19

・デンソーエアリービーズ
5/21

・上尾メディックス
4/16


・岡山シーガルズ
4/27

・PFUブルーキャッツ
2/18

48人の選手が現役の全日本経験者だが、こうしてみると久光がずば抜けて多い。
全体の半分以上が全日本経験者。

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同チームが全日本予備軍と言われる所以だ。
これまで、Vリーグが実質10強と言われてきたが、全日本選手輩出チームは全て10強。
この数字を見る限り、それも頷ける。

端的に言えば、全日本級の選手を抱えることがチーム強化の一環であると頷ける。

で、Vリーグから全日本に行く選手の中で、大別して、「学生時代から全日本に呼ばれていたり、先々全日本として期待されていた選手」と、「努力して全日本に呼ばれた選手」とおおよそ2通りある。

度々引き合いに出して申し訳ないが、前者が高校時代から全日本で活躍した木村沙織さんなら、後者は迫田さおりさんといったところ。

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ゴリさんこと清水邦広選手が「リーグで結果出した人間が全日本に行けばいい」とかつて仰っていたが、まさにその通り。

実績とか戦略の都合もあるので、毎年大掛かりな入れ替えは難しいが、それも結果次第で大きく変化するのでチャンスはある。

日本のトップクラスが集まるのがVリーグなら、日本のエリート集団の精鋭が集まるのが全日本。



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木村沙織さんのように、高さも身体能力も、技術も、ほぼ全てを満たす選手は極めて稀だが、一芸に秀でた者もまた、コート上の主役。

実際は紙一重。
後は結果を持って証明するだけ。

どの世界に行っても、上には上がいるものだ。