仙台の譲渡問題は一応の見解が示された。

17日、姫路ヴィクトリーナが記者会見し、Vリーグ機構から仙台ベルフィーユからの譲渡が無効になったことについて説明がありました。



[画像:e66193d7-s.jpg]


 

これについて、日刊スポーツが詳しいので部分引用し、整理して説明させて頂きます。

・「仙台ベルフィーユ」からのチーム譲渡が、1度承認されたものの無効となった経緯について

①:仙台は財務状況の悪化で、6月22日にチーム運営会社「トゥエルヴ」が、日本バレーボール機構(Vリーグ機構)からリーグ退会に当たる退社勧告を受けた。

②姫路と仙台がチーム譲渡に向けて協議して合意。7月29日の同機構臨時理事会を経て、8月1日に承認が発表された。

③「両チーム間で合意がなされた内容と事実に違いがある」(同機構)として同9日の理事会で審議された結果、譲渡の無効が同10日に発表されていた。

真鍋GMのコメント
「仙台の選手たちにバレーボールを続ける機会を提供できないかという思いで、選手全員を受け入れる提案をさせていただいた。我々も統合することで選手の補強ができ、チャレンジリーグ1から出場できるメリットがあった。今後は当初の予定通り、1つずつ(Vリーグ準加盟から)ステップアップしていきたい」


・姫路ヴィクトリーナの談

①昨年12月、トゥエルヴの米田隼人社長から「財政的に厳しい。一緒にチームを運営できないか」との打診あり。

②協議を重ねて1度は合意。

③仙台は、チーム保有団体のNPO法人「仙台ベルフィーユ」が新体制となり、同団体の理事長も兼ねていた米田氏が解任され、荒谷敏氏が新理事長に就任。
「仙台でスポンサーを集めて、宮城県での活動を継続していく」と姫路に伝えられ、4月20日の時点で白紙となった。

④6月に仙台がVリーグ機構から退社の勧告を受けたことで事態は一変。姫路から仙台へ「選手の受け入れをさせていただきたい」と打診。

⑤7月8日に仙台の全選手とスタッフへ、姫路がチームの説明や選手の受け入れ条件を提示。同22日に仙台の8選手と個別面談を行った。

この経緯について

・姫路の橋本社長のコメント
「スケジュールの中で(移籍人数の)最終確定までできず『6~7人』という合意で(譲渡の申請をしたことが)このような結果になった。(仙台側へ)十分なご理解をいただける説明ができなかった」

⑥曖昧なまま、Vリーグ機構へ譲渡の申請が行われ、まずは8月1日に承認が発表。

・一方の仙台は…。

⑦8月2日にVリーグ機構から発表された「移籍公示リスト」において「引退した選手も含め、すべての選手が姫路へ変更という表現の発表があり、事実と異なっている」として、翌3日に同機構へ質問。

⑧4日に同機構の嶋岡会長から「今回のチーム譲渡については、8人の選手が姫路へ移籍することが条件」と「初めて」(仙台側)伝えられたとのこと。

⑨4日、同機構に質問・要望書を送付。

⑩8日に同機構へ招集され「8人の選手・スタッフが姫路へ移籍しなければ(譲渡を)認められない」と正式に伝えられる。

これを受け、仙台側は…。

⑪譲渡無効が発表された10日に書面で「チーム間では3人の選手が姫路へ移籍することが決定していましたが、他の選手については、他のVリーグ加盟チームへの移籍について協議が進められているところであり、姫路への移籍は想定していないと(8日にVリーグ機構へ)伝えた」と説明。


以上の経緯により…

⑫ 姫路の認識とも食い違いが判明。その結果、譲渡無効になった。


仙台は書面にて
「今回の件につきましては大変遺憾であり、Vリーグ機構には、チーム譲渡について適時に正確な情報を提供いただくとともに、両チームの間に入り、積極的にチーム譲渡についての指導をいただきたいところでした」
との見解を示している。

更に仙台は…。

「一から本当の意味での地域に根ざした、安定した財務状況が確保できる新しいチームを発足するために、関係機関との協議を重ねてまいりたいと考えております」

と今後について説明した。


本件に際し、姫路の橋本社長のコメント
「最終的な結果が出たことは真摯(しんし)に受け止めさせていただいて、リーグ等に我々が不服や申し立てをすることは一切考えておりません」


姫路は、仙台から高橋咲妃恵選手(24)と逆瀬川由衣選手(24)の両ウイングスパイカーと、ミドルブロッカー浜辺優愛選手(18)の加入を発表した。



以上をまとめて、ザックリお話しますと、まず、意思の疎通がきちんとされていなかったこと。

かつ
Vリーグ機構が積極的に介入し、円滑な意思伝達をしなかったこと。

概ねこの2点が上げられます。

さらに言えば、内容を吟味せず、短絡的な結論を出し、辻褄が合わないまま、話が混迷化した。

真相はただ、それだけのことかもしれません。

恐らく、Vリーグ機構側には来季のカレンダーを作成しなければならないことから、同問題を早期解決させたい意図があり、結果として裁定がきちんとなされていなかった。

この記事だけ真に受けると、そう解釈出来ます。

仙台、姫路の両者を交え、きちんと意思の疎通を行えば、こんなことにはならなかったと思います。

物事は場当たり的ではいけない、ということですね。


これから来季のリーグも、スーパーリーグもあります。あまり短絡的かつ軽率に考えず、きちんとした舵取りを望むものです。