価値とは突然崩れるものだ。

そもそも価値とは人間が勝手に付けるもので、見る人が見ると、何の価値もないガラクタだ。

数年前、長野県の真田宝物館というところに行った時のことだ。

近年の真田丸ブームよりずっと前だから、宝物館は割と閑散としていた。東京の博物館とかはかなり厳重な管理体制なので、子供が自由に出入りしたりとかなり曖昧な管理体制だった。

その後、退館したあとご近所にある休憩所でお茶をご馳走になった時、思わずこんな感想を漏らした。

「物の価値とは人間が勝手に付けてるだけで、本当はそれすら何も意味のないことなのかもしれませんね」と。

その言葉を聞いた休憩所のおばさんが「そう言われるとそうかもしれませんね」と苦笑いしていたことを思い出す。


何でこんなことを書いたのかと言うと、先日、「そろそろ全日本とVリーグを切り離して考えても良い頃かも知れない」と書いたことを思い出したからだ。

世界クラブ選手権


来月行われる世界クラブ選手権。
あそこに集まるチームは各国の代表チームより強い。

ある意味、バレーボール世界一決定戦だ。

昨年の世界クラブ選手権で、多くの方が悪魔のように強いチームと、日本の久光製薬スプリングスが闘ったのを覚えている方は多いだろう。

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実質世界一のワクフバンクにはキャプテンにトルコ代表のギョズデ選手、中国の大黒柱、シュ・テイ選手、超大型のアクマン選手、オランダのスーパーエース、スローティエス選手、そしてセルビアのラシッチ選手、アメリカはキンバリー・ヒル選手。

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日本と闘ってもひとりで30点ぐらい取るスーパーエースがゴロゴロいる。

思わず「きったねえ」と愚痴をこぼしたくなるような、あまりにも圧倒的な陣容を垣間見て、こんなチームをぶつけられて正直、久光が気の毒になるぐらいだ。

ただ、世界ではクラブチームの活動に関しては日本よりも一日の長があるだけに泣き言を言っても始まらない。

現に久光製薬スプリングスは、2015年、エジザージュバシュ・ヴィトラをフルセットの末に破っている。

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あの試合は長岡選手の調子がもうひとつで、インフルエンザの古藤選手に代わり、中大路選手が奮闘。石井選手が大活躍とミハイロビッチ選手のサーブが冴え、歴史的な勝利となった。

今後、日本のVリーグの最終目標として世界クラブ選手権の重要性が高まっていくかも知れないが、もし同大会で日本のVリーグの各チームが然るべき成果を収めれば、全日本との逆転現象が起こるかもしれない。

何しろ相手はナショナルチームより強いクラブチーム。

Vリーグの価値の底上げを果たすのは、全日本ではなく、世界クラブ選手権での活躍に取って代わる、もしかしたらそんな日が来るのかとしれない。

何するにせよ、やるからには勝つ。
その気構えでNECレッドロケッツと久光製薬スプリングスには健闘を期待したい。

※2015年久光製薬スプリングスvsエジザージュバシュ・ヴィトラ