今日の試合は、色々な感慨がありました。
一言では語れないので、順を追って、これまであまり明言しなかった点に根本について述べてみます。

あくまで個人の感想なので、受け流して頂いても構いません。


まず、久光製薬スプリングスと日立リヴァーレについて。

image


久光は野本選手が長岡選手のポジションに起用されることを予測されることから裏をかき、新鍋選手をライトに配置しました。

また、懸念されていたミドルの打数を増やし、サーブでも攻め、弱点を克服してきました。

更にキャリアのある古藤選手を起用し、攻撃パターンを読ませないようにしました。

こうなると、これまでのデータがない日立は不利です。それが試合に露骨に出ていました。

久光の作戦勝ちとも言えますが、思いきった勝負に勝つ辺り、さすが百戦錬磨です。

image


正直、日立は昨日の敗戦を引きずったままの勝負に映りました。

慣れない相手の動きに惑わされ、攻撃パターンが読まれました。アタッカーを変え、栗原選手や間橋選手が奮戦しましたが、疑問がひとつ。

何故セッターを変えなかったのか?
これはシーズン中も疑問でした。

別に佐藤美弥選手云々ではありません。
読まれて当たり前なのです。

筆者は「セッター2年周期説」と考えています。

image


前年良かったチームは翌年攻撃パターンが読まれ、苦戦する。攻撃の根幹はセッターです。データが蓄積され、各セッターは工夫をしていますが、頭で色々考えても息詰まると普段の癖が出てしまいます。

各チーム、これに気付いているからこそ工夫をしています。久光の場合、キャリア豊富な古藤選手と栄選手、3人のセッターがいて、豊富な引き出しがあります。

セッターが変わるとバレーそのものが変わります。例えば今年の東レは田代選手ひとりでセッターを務めましたが、控えセッターがいないというのは非常事態です。

今後、各チーム、セカンドセッターの重要性が問われてくると思います。勿論、レギュラーセッターがしっかりしてこそのチームなのですが、展開を変えるのにはセッターが重要。

また、日立の掲げる超高速バレーも煮詰まってきて、そろそろ根本を変える、もしくは改良を加える時期が来ていると思います。
今年NECがサーブを特化し、ミドルやオポジットが充実してきたようにモデルチェンジに成功しました。

来季、また強い日立を見たいので、これからどういった方向に進むのか、それを楽しみにします。


そして、チャレンジマッチについて。

岡山シーガルズとPFUブルーキャッツには残念な結果となりました。

そして、上尾メディックスとデンソーエアリービーズは昇格おめでとうございます。

この試合を振り替える前に、先程の続きになりますが、今季のVプレミアリーグで強かったチームは全て短期間に改良することに成功しています。

東レ然り、JT然り。
逆にシーズン通じて改良出来なかったチームが不振のまま終わりました。

岡山とPFUがそれに該当します。

image


岡山は初戦、第一セットの接戦を凌ぎ、勝利しました。これで安堵した部分はあったかもしれませんが、あまり楽観出来るものには見えませんでした。

カルデロン選手に46点取られ、サーブレシーブも5割を割ってました。

上尾はカルデロン選手に偏りすぎな攻撃を工夫し、近藤、荒木、松本選手など攻撃を分散、サーブで攻めてきました。

image


ただ、勝利の明暗は第一、第二セットの攻防でしょう。これはコメントでも書きましたが、上を目指すチームともうひとつだったチームとのモチベーションの差だったかもしれません。

第三セットも気持ちで切り替えられていれば変わっていたかもしれませんが、気持ちが落ちているように見られ、上尾の執念が勝りました。

このあたりは数字だけではない試合の難しさを感じました。

デンソーとPFUも同様の印象がありました。

image


昨日はフルセットの接戦で疲弊していたかもしれませんが、それはイコールコンディション。

追う側と追われる側との差は歴然でした。
デンソーは今季、数多くの若い選手を積極的に起用し、選手層の拡大に務めてきました。石井里沙選手のようにミドルでもサイドでもサーブレシーブもこなせる起用な選手もいて、バラエティーに富んでいます。実戦慣れしているのも大いに役に立ったと思います。

image


シーズン中でもPFUはあと一歩で敗れるケースが多く、技術云々の前にもう少ししつこいバレーをしていかないと、これからが厳しいかなと思います。


最後に、昇格したチーム、降格したチーム、これからそれぞれに課題があります。それはまた別途触れますが、まだスタートラインに立ったばかりです。

それぞれ立場が入れ替わったり、来季を目指したりしますが、ともあれ、今はまず、鋭気を養って下さい。

長いシーズン、お疲れ様でした。


image


そして、久光製薬スプリングスには日本一への道が残っています。ファイナルでの健闘をお祈りしております。