今年のファイナル6はまさに
嵐のようだった。

終わってみれば、一体何だったのだろう、と。
そんな気さえ思えた。

果たして誰が勝者で
誰が敗者なのか
それすら良く分からなかった。

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ただ、この大会で最も強かったのは
NECレッドロケッツ。
それだけは確実だ。

だが、まだ勝負は終わっていない。

久光製薬スプリングスと日立リヴァーレには、ファイナル3が。
そして、NECレッドロケッツはそれを迎え撃つ義務がある。

最強の名を懸けて。


■ Vプレミアリーグ・ファイナル6順位 ■

1位.NECレッドロケッツ 4勝1敗 勝ち点17 ※ファイナル進出確定
NEC




2位.久光製薬スプリングス 3勝2敗 勝ち点10 ※ファイナル3進出確定
久光




3位.日立リヴァーレ 2勝3敗 勝ち点10 ※ファイナル3進出確定
日立



4位.JTマーヴェラス 2勝3敗 勝ち点8
※ファイナル6敗退
JT



5位.トヨタ車体クインシーズ 2勝3敗 勝ち点8
※ファイナル6敗退
toyota



6位.東レアローズ 2勝3敗 勝ち点7
※ファイナル6敗退
東レ



首位通過のNECレッドロケッツ以外は、ドングリの背比べというか、久光製薬スプリングスの勝ち点10から、以下一点刻みである。

近来稀な僅差となった各チームの闘いぶりを振り替えってみる。



1位.NECレッドロケッツ 4勝1敗 勝ち点17 ※ファイナル進出確定
NEC


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NECはこの大会、トヨタ車体クインシーズ戦を除き、全ての試合に勝利した。レギュラーラウンド、ファイナル6とも1位という堂々の首位通過だ。

・攻撃力 ★★★☆☆
・ブロック力★★☆☆☆
・サーブ力★★★★★
・サーブレシーブ★★★★☆

総合評価 3.5

※ファイナル6の成績による。

NECはアタック決定率とサーブが1位。サーブレシーブも2位と総合的にバランスの取れたチーム。強いて言えばブロックがやや弱い。
今年の快進撃には3つの鍵があり、まずサーブの強化。そしてサーブレシーブの強化。更にニコロバ、柳田選手による二枚の強力なオポジットによる決定力の高さだ。ここに古賀選手を始めとするアタッカー陣を始め、豊富な人材を有効活用した多彩な攻撃が持ち味。

リーグ中盤で「どこが悪いのか教えて欲しいぐらい」と書いたが、遂に期は熟した感はある。
果たして、挑んでくるのは久光か? 日立か?

V奪回に向け、満を持して先頭に立つ。





2位.久光製薬スプリングス 3勝2敗 勝ち点10 ※ファイナル3進出確定
久光


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久光はこの大会、全てフルセット勝ちで3勝2敗。敗れたのはNECとJTというやや苦しい展開となった。2位通過だが実際は冷や汗ものでトヨタ車体と日立が揃って勝ち点3を上げていれは敗退の可能性もあったので薄氷のファイナル3である。


・攻撃力 ★★★★★
・ブロック力★★☆☆☆
・サーブ力★☆☆☆☆
・サーブレシーブ★★★★★

総合評価 3.25

※ファイナル6の成績による。

パラメーターを見るとかなりいびつなのが判る。久光は基本に忠実なチームなので攻撃力とサーブレシーブは高いのだが、サーブが相変わらず弱く、ブロックももうひとつ。これはアタッカー頼みという状況から脱却出来ていないことを示している。
高速コンビの日立、そしてファイナルで待つNECのサーブ対策をどうするか?
そして、長岡選手の状態は?

課題は多いが、ここまで来たら、狙うは勿論連覇。ファイナル3での闘いぶりが注目される。





3位.日立リヴァーレ 2勝3敗 勝ち点10
※ファイナル3進出確定
日立


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前半の連敗から這い上がり、最終戦で勝ち点1を加算。ようやくファイナル3に進出した日立だが、最終戦のJT戦をフルセットで落とし、微妙なファイナル3通過となった。


・攻撃力 ★★★☆☆
・ブロック力★☆☆☆☆
・サーブ力★★★☆☆
・サーブレシーブ★★☆☆☆

総合評価 2.25

※ファイナル6の成績による。

リーグ前半、快進撃を支えたサーブやサーブレシーブが影を潜めている。ブロック力が低いのは前々からの課題だが、まず、サーブとサーブレシーブを締め直し、得点力をアップさせたい。
渡邉選手が完調手前で栗原選手や間橋選手、長内選手など総動員で闘う必要もあるかもしれない。

まずは久光とのファイナル3に勝ってから。
今はそこに全力投球。




4位.JTマーヴェラス 2勝3敗 勝ち点8
※ファイナル6敗退
JT


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惜しくもファイナル3進出に届かなかったJTマーヴェラス。最終戦の日立戦をフルセットの末勝利し、4位でシーズンを終えることとなった。この一年はチャレンジに次ぐチャレンジだったと言って良い。


・攻撃力 ★★☆☆☆
・ブロック力★★★★☆
・サーブ力★★☆☆☆
・サーブレシーブ★★☆☆☆

総合評価 3

※ファイナル6の成績による。


JTに関してはやるだけのことはやった感が強い。
序盤、持ち前の粘り強さと全員バレーで優勝戦線に食い込み、研究されて勝てなくなってからは、サーブレシーブを徹底的に強化。井上琴絵選手をレシーバーとピンチサーバーの切り札として起用し、再び優勝戦線に食い込んだ。惜しむらくは、もう少し早ければ、というところと、やはりエース・オヌマー選手を欠いたことだ。

誰もが思う、余り当たりたくないチームのひとつ。
来季は更にパワーアップし、今季以上に侮れないチームとなるだろう。




5位.トヨタ車体クインシーズ 2勝3敗 勝ち点8
※ファイナル6敗退
toyota


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攻撃力とサーブが売りというイメージだったトヨタ車体。
ここにブロックが加わり、更に強さを増したが、サーブレシーブがここに来て低下。
攻撃力に関しては大黒柱・ラヒモワ選手が本調子とは言えず、最後の東レ戦では本領発揮とは言えなかった。

・攻撃力 ★★★☆☆
・ブロック力★★★★★
・サーブ力★★★★☆
・サーブレシーブ★☆☆☆☆

総合評価 3.25

※ファイナル6の成績による。


前半戦を2勝1敗で乗り切り、王手を懸けていただけに後半の連敗が惜しまれる。
だが、多治見麻子監督就任1年目で優勝争いに加わったことは評価される。

今後の課題は、守備力の向上とミドルの打数の向上。
これによりサイドもより活きてくる。
選手層も増し、来年以降の活躍により一層、期待が掛かる。




6位.東レアローズ 2勝3敗 勝ち点7
※ファイナル6敗退
東レ


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崖っぷちから這い上がってきた東レ。
昨年末、天皇杯・皇后杯あたりから急遽、迫田、堀川選手のオポジット二枚同時コートインという超攻撃型シフトに変更。当初は懸念されたものの、年明けから快進撃を続け、ギリギリまでファイナル3進出に望みを懸けた。


・攻撃力 ★★★☆☆
・ブロック力★★★★☆
・サーブ力★★★☆☆
・サーブレシーブ★★★☆☆

総合評価 3.25

※ファイナル6の成績による。


年明けからの急転換と中道コーチの現役復帰など、東レの本気度合いが伺えた。
残念ながら最終戦でのNEC戦で敗れ、今季は6位で終えることとなったが、勇気ある決断だった。
来年以降は木村沙織選手の引退や去就が不明な迫田選手など、チームの体制が大幅に入れ替わる。

当初は結果が出ないかもしれないし、これから来季に向けて、苦しい闘いなるかもしれない。
ただ、来季以降の道筋は立った筈。今季ブレイクした堀川選手や大野選手をはじめ、黒後愛選手ら新たな新戦力の台頭により、新しい東レの時代を作ることが望まれる。


これからが三強のサドンデス。
というよりは久光と日立が生き残りを懸けて闘う。
それも僅か1週間後だ。

闘いはまだまだ続く…。