2015年で大方向転換を余儀なくされた全日本女子バレーボールチーム。

だが、古賀、宮部選手の台頭や長岡望悠選手のエースとしての独り立ち。島村、大竹選手の成長など、翌年に繋がる明るい要素は多かった。

それを踏まえての2016年。

そう、目指すはリオデジャネイロオリンピック。

4年間の集大成の年である。


201605090009-spnavi_2016050900034_view



・セッター

古藤千鶴選手(久光製薬スプリングス)

佐藤美弥選手(日立リヴァーレ)

田代佳奈美選手(東レアローズ)

田中美咲選手(JTマーヴェラス)

宮下遥選手(岡山シーガルズ)


・ウイングスパイカー

木村沙織選手(東レアローズ)

迫田さおり選手(東レアローズ)

江畑幸子選手(PFUブルーキャッツ)

石井優希選手(久光製薬スプリングス)

長岡望悠選手(久光製薬スプリングス)

内瀬戸真実選手(日立リヴァーレ)

鍋谷友理枝選手(デンソーエアリービーズ)

井上愛里沙選手(筑波大学)

古賀紗理那選手(NECレッドロケッツ)

宮部藍梨選手(金蘭会高校)



・ミドルブロッカー

山口舞選手(岡山シーガルズ)

荒木絵里香選手(トヨタ車体クインシーズ)

川島亜依美選手(岡山シーガルズ)

奥村麻依選手(JTマーヴェラス)

島村春世選手(NECレッドロケッツ)

大竹里歩選手(デンソーエアリービーズ)

伊藤望選手(東レアローズ)


・リベロ

佐藤あり紗選手(日立リヴァーレ)

丸山亜季選手(岡山シーガルズ)

筒井さやか選手(久光製薬スプリングス)

鳥越未玖選手(NECレッドロケッツ)

佐藤澪選手(トヨタ車体クインシーズ)

座安琴希選手(久光製薬スプリングス)



ウイングスパイカーは実績のある選手ばかり。
木村沙織選手を筆頭に宮部藍梨選手まで、それぞれ各カテゴリーのエース級。

ミドルブロッカーに変化が起こった。
荒木絵里香選手の復帰である。

この3年間、結婚、出産、育児と大忙しだった荒木選手。
眞鍋監督の要望に応えての復帰となった。

ロンドン経験者にして、前キャプテン。
過去2回のオリンピック出場にて
北京オリンピックではベストブロッカー
持ち前のガッツとブロック力
何よりもキャプテン経験者として
木村沙織選手のサポートなど

求められることは大きかった。

ただし、荒木選手の復帰により
山口選手を含めた、
島村、大竹選手の2015年レギュラー組の
ポジション争いは熾烈になる。


問題となったのはセッターとリベロ問題。

セッターは宮下遥選手を除き、毎年陣容が目まぐるしく変わった。

古藤選手も名を連ねているものの、この年は宮下ー田代ラインが中心となるのだが、それは少し先の話。

リベロはというと、ほぼ振りだし。
当初、2015年レギュラーの座安選手が故障などで登録されず、経験のある佐藤あり紗選手と丸山亜季選手が起用されることとなる。


Vリーグが終わったその翌日に発表された全日本人事。

余韻に浸る暇もなく、嵐の中へ突入していく。


一行は約3週間の国内合宿を終え、一路中国遠征へ。

8b05b5d6-s


同遠征には木村、荒木、山口、長岡、宮下、大竹、佐藤あり紗、古賀、島村、丸山、石井、江畑、内瀬戸、迫田、田中瑞稀、田代選手が参加。

勿論、この時点でチームの人選は始まっている。リオデジャネイロオリンピックに向けたメンバー探しだ。

親善試合ながらシュ・テイ選手などフルメンバーで本気モードの中国。3試合を消化したが、昨年同様、日本は中国の高さと速いサーブに手を焼き一勝も出来ずに帰国する。

同遠征より全日本は改めてサーブレシーブが問題視され、この問題を対処するため、座安琴希選手が緊急招集。本業のリベロではなく、レシーバーとして起用されることとなる。

早速国内合宿に入った全日本は、いよいよリオデジャネイロオリンピックへの出場権の懸かった世界最終予選に挑む。

2071711_201605170272451001463442016c


セッターは引き続き、宮下、田代選手。

アタッカーは木村沙織選手をはじめ、迫田、長岡、石井、古賀選手に加え、鍋谷選手が加わる。

ミドルは荒木、山口、島村選手の3名が選出。

リベロも引き続き佐藤あり紗、丸山選手が選出。

そして、座安選手がレシーバーとして加わった。

総勢14名によるサドンデス。
果たして?


全日本は初戦のペルー、第一セットこそ苦しんだが、このセットを取って落ち着きを取り戻すと、ストレート勝ちを収め、続くカザフスタン戦では危なげなくストレート勝ちで二連勝。

上々の滑り出しを見せた。

しかし、続く韓国戦、木村沙織選手がブロックの際に脱臼するアクシデント。
結局、混戦の末に第一セットを落とし、続く第二セットをも落とす。ここで眞鍋監督は木村選手を諦め、石井、鍋谷選手をコートに送り、巻き返しを計り、第三セットを奪回するも第四セットを落とし1ー3で敗れる。

全日本に暗雲が垂れ込める。

そして迎えたタイ戦。
この試合は、全日本の試合でも余り見たことがない未曾有の混戦となる。

木村選手を温存し、石井選手を投入して臨んだが、タイのプルームジット、タットダオ選手を中心としたコンビバレーに翻弄され、第一セットを失う。
この危機的状況を受け、全日本は木村、山口、迫田選手を投入。背水の陣で臨み、苦戦の末第二セットを取り返す。
しかし、第三セットも苦戦。終始先行され終盤23ー24にまで迫るも、タイに振りきられ2ー1。

e6255ba3-s


第四セット、山口選手を再び戻し、前半リードするも、タイに詰め寄られ苦戦。何とかギリキリで踏ん張り、フルセットへ。

迎えた最終セット、タイの速攻やブロックに蹂躙され、12ー6と絶体絶命の大ピンチ。ここからタイのサーブアウトをきっかけに全日本は石井選手のアタックや宮下選手のサービスエースで大反撃、6連続得点を奪うと、更にタイにレッドカードが二枚出されマッチポイント。
最後は迫田選手のアタックが決まり、全日本は土壇場で起死回生の大逆転勝利を飾る。

c81da544-s


この勝利で息を吹き返した全日本は、難敵ドミニカ共和国をストレートで破り4勝1敗。
予選通過に王手を掛けてイタリア戦に挑む。

第一セットから火の出るような大接戦となる。
この試合では木村選手が大爆発。

00e7edcc-s


第一セット、イタリアの猛追を木村選手のアタックで対抗し、辛くも25ー23で振りきる。
しかし、第二、第三セットを接戦の末に落とすと、第四セット、全日本は鍋谷選手を投入。終始優位に攻めるなか、長岡選手が奮戦。追撃するイタリアを最後は木村選手のアタックで振り切り、第四セットを奪う。

試合はフルセットの末敗れたものの、2セット奪った時点で日本のリオデジャネイロオリンピックへの出場が確定。この試合で木村選手は31得点を上げてベストスコアを飾り、完全復活を見せた。

更に特筆すべきことがあった。
最終戦のオランダ戦。セッターの田代選手が今大会初先発。
山口、島村選手といったミドルや長岡選手を巧みに使い、フルセットの末勝利を挙げる。

田代、島村選手は数少ないチャンスを一発で掴み、島村選手は二桁得点。
二人は事実上、この試合でリオへの合格切符を掴んだ。

zennihon20160522-thumb-490x326-128164


一旦消えかかったリオへの切符を掴み、全日本女子バレーボールチームへメダルの機運が再び高まる。

ただ、選手はこれで終わりではない。
リオへの出場権を懸けた闘いがある。

2016年のワールドグランプリが、まさにその最終関門となった。

この大会ではOQTにもずっと帯同した総勢18名のメンバーが参加。
木村沙織選手は指の故障もあり、登録を外れ全休。

キャプテンは荒木選手と山口選手が持ち回りで臨時のキャプテンを務める。

今年に限って言えば、WGPの勝ち負けはさして重要ではない。
各国もオリンピックに出場するチーム、しないチームとでスタンスが分かれる。

39ed7d19-s


前半以降は、各チームフルメンバーでの出場が多くなり、日本は予選ラウンドを3勝7敗で敗退、9位で終えることなった。


そして迎えた4年に一度のリオデジャネイロオリンピック。
最終的に出場メンバー12名は、全てOQTを闘い抜いた中から選出された。

セッター:宮下、田代選手。

アタッカー:木村、迫田、長岡、石井、鍋谷選手。

ミドル:荒木、山口、島村選手。

リベロ:佐藤あり紗選手。

レシーバー:座安琴希選手。

守備力強化に主眼を置き、レシーバーを起用。ミドル2枚に戻した全日本。

d5bb580a-s


果たして…。

日本は予選ラウンドはプールAに属する。
ブラジル、ロシア、韓国、アルゼンチン、カメルーンと比較的、対戦相手が楽。

予選通過は必須、後は激戦区のプールBとの兼ね合い。
下馬評ではそうみられていたのだが、捕らぬ狸の皮算用。
実際はそうならなかった。

日本は初戦の韓国戦、第一セットを先制するも、第二セット以降、韓国の速いサーブに崩され、防戦に回り、結局1-3で逆転負けを喫した。
韓国のエース、キム・ヨンギョン選手には30得点を奪われ、長岡選手が19得点で対抗するOQTと同じような展開となってしまった。更にヤン・ヒョジン選手にも21得点を上げられてなす術なしという完敗。

065b4435-s


早くも暗雲が垂れ込める。

続くカメルーン戦でも第一セット苦戦の末先取。第二セットもカメルーンの速攻に蹂躙され3-8。ここで全日本はセッターを田代選手にスイッチ。前半、特に第二セット途中まで苦戦しましたが、劣勢を立て直すナイスリカバーでストレート勝ち。

b40d5e56-s


しかし、全日本の苦戦は終わらなかった。

第三戦、地元の女王ブラジルと対戦。
完全アウェーの中第一セット前半をリードし、途中出場の迫田、山口選手も奮闘。第三セットも食い下がるもストレート負け。

116492e5-s


続くロシア戦、ブロックの上から打ち下ろすゴンチャロワ選手に手を焼き、第二セット、30点にものぼる接戦を落としたのが痛く、ストレート負け。

e4597634-s


いよいよ後がなくなった全日本、予選通過を懸けてアルゼンチンと対戦。
全日本はセッターを宮下選手に戻し、背水の陣。
第一セットを苦戦の末奪い、第三セットも食い下がられるも、苦しみながらストレート勝ち。

d365f665-s


最終戦でようやく決勝ラウンドへの出場権を獲得するも、準々決勝の相手は優勝候補の一角・アメリカ。

起死回生を狙う全日本。第一セットを先制され、第二セット終盤まで食い下がるも、接戦の末このセットも落とす。第三セットも13-20と苦戦しながら、木村選手を中心に7連続得点で20-20の同点にまで食い下がるも、ここまでだった。

a19dfcc3-s


最後に意地を見せてくれたものの、全日本女子バレーボールチームの4年間はここで終わった。

64f09ec9-s


リオデジャネイロオリンピック5位。
これが第二期眞鍋japanの最終リザルトである。


ロンドンオリンピックの成功で期待を集めた全日本女子バレーボールチームであったが、二匹目の泥鰌はいなかった。ポスト竹下、佐野の人選は4年に亘り難航したのは否めない。

勝負に「IF」を言っても仕方ないが、ハイブリッド6からの方向転換や、2015年以降、サーブレシーブで苦しめられ、暗中模索を繰り返した。

それでも2013~14年に懸けてはグラチャンやワールドグランプリでメダルを獲得し、次への期待を繋いだ功績ははっきりと残った。

長岡、石井、宮下選手など東京オリンピックの主役候補を育て、古賀選手や宮部選手など次につながる選手を輩出した眞鍋JAPAN。

e44dbfd8-s


眞鍋政義監督の手腕があればこそ、全日本女子バレーボールチームは再び世界の檜舞台へ姿を現した。

その功績は高く評価されるべきだろう。

そして…。

チームとしては来年、中田久美監督指揮の下、再スタートを切ることとなる。
今後全日本女子バレーボールチームが具体的にどのような方向に進むのか、まだ分からない。

ただ、次はホーム。世界最終予選も、ワールドカップ出場もない。じっくりと戦力を育て、2020年に備えて欲しい。

東京 エンブレム


そして、全日本女子バレーボールチームが、今後どのように進化、変化していくのか?

これからも見守り続けたい。

4年の長きに亘り闘い抜いた、チーム、選手に改めて拍手を贈りたい。

bd1a8289-s