今年のVリーグは例年とは大分違う。

昨年だと東レと久光の二強に日立が割って入り三強だった。
今年も結果として三強となったが、余りに力の差がないので、そこだけ抜けているという訳ではない。

結果として6強2弱という形になった。


選手は内心、主役になりたい。
これは間違いのないところ。

かの世界一のリベロ、佐野優子選手も、かつて身長がもっとあったら大エースになっていただろうとうそぶく。

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それは案外、本音かもしれない。

ただ、人にはそれぞれ役割がある。
それを弁えることが肝要。

バレーボールで目立つポジションはアタッカーだが、アタッカーが必ず目立つ訳ではない。

守備的アタッカー、パスヒッターがそうだ。

例えば、日立の内瀬戸真実選手。
物凄く目立つという訳でもないが、しっかりと自分の役割を果たす。

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元々守備力を高く評価された選手で、全日本でも活躍。

2015ワールドカップではロシア戦で大活躍。
敗れはしたが、フルセットにまで持ち込む立役者となった。

やはり全日本まで駒を進める選手というのは、必ず一芸に秀でたものを持っている。

例えば、今年の日立ではバックアタックを積極的に取り入れており、遠井萌仁選手ともども、二人のパスヒッターが積極的にバックアタックを試している。

実はこのお二人、成績面でもかなり接近している。

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・内瀬戸真実選手
総得点 223(18位)
サーブレシーブ成功率 67.6(8位)

・遠井萌仁選手
総得点 222(19位)
サーブレシーブ成功率 68.4(7位)

二人のアタッカーが同じぐらいの能力ということは、起用する側として計算が立てやすい。
それも高い水準で安定していれば、守りも磐石で攻撃でもある程度安定して算段が立つ。

全ては安定した軸があればこそ。

普段応援する側は、得点力のあるスパイカーに注目しがちだが、主役はあくまでその脇を固める選手があって、初めて引き立つ。

かつてプロレスの世界で空前の人気を博した初代タイガーマスクというレスラーがいたが、ダイナマイト・キッドという好敵手がいなければその強さと凄さが引き立たなかっただろう。

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バレーボールはひとりでは出来ない。

セッターも、リベロも、ミドルも、サイドも。
腕利きの選手が集まって、
それぞれの役割を全うして
初めて成り立つ。

だから、バレーボールは面白い。