MB1の一応の成功で、メダル圏内のチームであることを再認識させた第二期眞鍋Japan。

毎年の全日本の活動開始は、まるでF1の開幕戦を思わせる華やかさと熾烈さ。

Vリーグの各チームや、大学、高校から精鋭が集まってくる。

新戦力テストの色合いが濃かった2013年からメンバーが更に刷新された。


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・セッター

古藤千鶴選手(久光製薬スプリングス)

中道瞳選手(東レアローズ)

佐藤美弥選手(日立リヴァーレ)

藤田夏未選手(トヨタ車体クインシーズ)

宮下遥選手(岡山シーガルズ)


・ウイングスパイカー

木村沙織選手(東レアローズ)

高田ありさ選手(東レアローズ)

迫田さおり選手(東レアローズ)

石田瑞穂選手(デンソーエアリービーズ)

江畑幸子選手(RCカンヌ)

新鍋理沙選手(久光製薬スプリングス)

石井優希選手(久光製薬スプリングス)

白垣理沙選手(NECレッドロケッツ)

長岡望悠選手(久光製薬スプリングス)

内瀬戸真実選手(日立リヴァーレ)

高橋沙織選手(トヨタ車体クインシーズ)

今村優香選手(青山学院大)

井上愛里沙選手(筑波大学)

古賀紗理那選手(熊本信愛女学院高)


・ミドルブロッカー

庄司由起選手(トヨタ車体クインシーズ)

山口舞選手(岡山シーガルズ)

関李香選手(岡山シーガルズ)

川島亜依美選手(岡山シーガルズ)

岩坂名奈選手(久光製薬スプリングス)

平松美有紀選手(トヨタ車体クインシーズ)

大野果奈選手(NECレッドロケッツ)

大竹里歩選手(デンソーエアリービーズ)


・リベロ

佐野優子選手(デンソーエアリービーズ)

宮本小百合選手(パナソニックエコソリューションズ)

佐藤あり紗選手(日立リヴァーレ)

筒井さやか選手(久光製薬スプリングス)



大所帯だった2013年に比べ、かなりシェイプされたメンバー編成。

新戦術の完成に向け、第一期眞鍋Japanのメンバーが復帰した。

まず、佐野優子選手と山口舞選手の全日本復帰がそれだ。

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当時の全日本はミドルブロッカーを一人削ってオポジットを二枚同時にコートインするMB1の進化形を作るためのメンバー編成。

そのため、ミドルブロッカーは狭き門になり、ウイングスパイカー偏重のメンバーとなる。
また、ウイングスパイカー経験のあるミドルブロッカーが重宝され、山口選手が復帰。

セッターは中道、宮下ラインが主力。

スパイカーは昨年に引き続き、木村沙織、迫田、江畑、新鍋選手らロンドンメンバーに加え、長岡、石井選手ら第二期眞鍋Japanのメンバーとの融合。
ここに変化が加わるが、それは少し先の話。

ミドルブロッカーは、…。


ともあれ、新戦術の成就は日本のお家芸の復活を意味する。

果たして?


嵐の幕開け、全日本。

国内合宿を終え、飛んだ先はスイス。
約2週間の合宿を終え、次なる先は。

モントルー・バレーマスターズ。

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例年、若手選手の登竜門とされる大会だが、主力とは別にこの年は若手選手や新戦力だけの参加となった。

結果、今村、井上選手の大学生コンビ、高田、平松選手らが合格点を出し、次なるステップへと進んでいく。

この後全日本は、主力メンバーとモントルー組が合流し、エリツィン杯に参加。並みいる全日本経験者に加え、内瀬戸、高田、筒井選手が参加。

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予選リーグB組の日本はブルガリア、カザフスタンを降し2戦2勝。1位通過で決め、決勝トーナメントではロシアとフルセットの末敗れ、3位決定戦へ。
ここで日本はオランダにストレートで敗れ、この大会を4位で終える。

間髪入れず全日本は僅か2日後、イタリア四か国対抗に参加。前回の15名に加え、井上愛里沙選手が参加。日本は二連敗からの二連勝で二勝二敗とし対戦を終える。



この大会の第四戦で高田選手が先発出場し、活躍。以後の活躍へ繋がっていく。

この後全日本は一旦帰国、再度国内合宿を挟み、ワールドグランプリへと駒を進める。

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総勢22名がエントリーされたが、実際に出場枠を勝ち取ったのは

木村沙織、中道、迫田、江畑、新鍋選手のロンドン組に加え、長岡、石井、宮下選手の2013年組、更に高田、内瀬戸、筒井選手の新戦力勢に加え、佐野、山口、石田選手ら第一期眞鍋ジャパンのメンバー14名。

2014年は三大大会のひとつ、世界バレーの開催年。そこへたどり着くための人選も兼ねているが、この大会から全日本は更なる新戦術を投入。

ハイブリッド6だ。

セッター以外は全員アタッカー。
攻撃のタイミングをシンクロさせ、どこから打ってくるのか分からないようにするのが狙い目。

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ミドルもサイドも区分けのないこの戦術は、世界でも前例のない試み。

しかし、ワールドグランプリからの初お披露目は連敗スタート。

トルコ、ロシア、アメリカに三連敗。
続く第二ラウンドもイタリア、中国、タイに敗れ、何と6連敗。

実際に闘う選手からも不安の声が上がる中、全日本は7戦目のセルビア戦でようやく初勝利。ところがここから快進撃が始まっていく。
続く韓国戦をフルセットの末降すと、中国も3ー1で破り三連勝。

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更に日本に戻っての決勝ラウンドではロシアを3ー1、前日ブラジルを破って勢いに乗るトルコをストレートで破る、更に中国、ベルギーをもストレートで破り、6連勝で遂にブラジルとの最終戦に漕ぎ着ける。
日本は二セット取れば金メダルという状況のさだったが、女王ブラジルの牙城を崩せずストレートで敗退。

惜しくも銀メダルに終わる。

この大会で長岡選手が大ブレイク。
驚異的な決定率でベストスパイカー部門2位に輝き、更に佐野優子選手がMVPとベストリベロに輝く。

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同大会初めてのメダル獲得で俄然国内からの注目を集め、次なる戦いでいよいよ世界一に大きく前進したかに見えた。

次なる戦いは勿論、世界バレー。
2010年、全日本を再び世界に押し上げた思い出の大会。
いよいよ頂点へ、の機運が高まった。

ところが…。

初戦の相手はアゼルバイジャン。
世界ランキングは37位。

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同国はスーパーリーグを保有し、国を上げての熱の入れようだが、この時点ではまだ、無名のチーム。
実際、試合は石田選手のサーブが走り、前半から8-0のワンサイド。
このまま決まるかと思ったが、矢のように降り注ぐ弾丸ジャンプサーブ。
その時のアゼルバイジャンのエースが他ならぬポリーナ・ラヒモワ選手。

楽勝ムードから一転、日本はフルセットの末逆転負けを喫す。
早くもハイブリッド6に暗雲が垂れ込める。

アメリカや中国にこの選手がいなくてよかったなと胸を撫で下ろしたのだが、
そのラヒモワ選手が日本にやってくるのは、それから2年ほどあとの話。

しかし、日本は続くベルギー戦3-1で破り初白星。
キューバ、プエルトリコを破り、軌道に乗るかと思いきや、中国とフルセットの末敗れ、一次ラウンドは3勝2敗。

辛くも一次ラウンドを通過した日本に、更なる試練が待っていた。

初戦のクロアチア戦をまたしてもフルセットで落とし、暗雲が垂れ込める。
続くドイツ戦もまたしてもフルセットの末勝利。

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いよいよ後がなくなったイタリア戦、ドイツ戦で活躍しイタリアと相性のよい高田選手をスタメンで起用するも第一セット終盤での失点が響き同セットを失う。
結局イタリア戦は一セットも奪えず、日本はストレートで敗退、第二次ラウンドでの敗退が決定した。

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このハイブリッド6にはいくつか欠陥があった。
一件するとパスヒッターとポイントゲッターの双方にアタッカーを分けているものの、ミドルブロッカーの全面排除には至らず、前衛のセンターからのクイックが使えないこと。
更にサーブレシーブが乱れるとサイドからの攻撃とバックアタックぐらいしかオプションがなくなり、攻撃が単調になること。
また、センターブロックをセッターに任せることにより負担が大きくなることなど、再検討の余地が増えた。

勿論、副産物もある。センターで起用されることの多かった長岡選手は遅いCクイックのようなスパイクをマスターし、攻撃に幅が広がった。この年以降、長岡選手は全日本のエースとして覚醒していく。

しかし、何かと話題をさらったハイブリッド6はこの年限りで姿を消すこととなる。
それは、全日本の残りの2年間が一からやり直しになることを意味していた。

(続く)