ロンドンオリンピックが終わった2013年。

喜びも束の間、眞鍋JAPANは次なる準備を余儀なくされた。

オリンピックでの銅メダルは、勿論、続投を意味する。

求められるのは銅メダル以上。
国内の人気も後押しし、その機運は高まった。

ニッポンのお家芸の復活。

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さあ、果たして次は何を見せてくれるのか?


明けて2013年。
全日本には空前のメンバー数が集まった。

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・ウイングスパイカー

木村沙織選手(ガラタサライ→ワクフバンク→東レアローズ)
迫田さおり選手(東レアローズ)

石田瑞穂選手(久光製薬スプリングス→デンソーエアリービーズ)
近江あかり選手(NECレッドロケッツ)
新鍋理沙選手(久光製薬スプリングス)
中村亜友美選手(JTマーヴェラス)
石井優希選手(久光製薬スプリングス)
長岡望悠選手(久光製薬スプリングス)
野本梨佳選手(久光製薬スプリングス)
高橋沙織選手(日立リヴァーレ→トヨタ車体クインシーズ)
今村優香選手(久光製薬スプリングス)
鍋谷友理枝選手(デンソーエアリービーズ)
土井さくら選手(筑波大学→日立リヴァーレ)
辺野喜未来選手(上尾メディックス)
江畑幸子選手(日立リヴァーレ→RCカンヌ→PFUブルーキャッツ)
古賀紗理那選手(NECレッドロケッツ)
石井里沙選手(デンソーエアリービーズ(現MB))




・ミドルブロッカー

平井香菜子選手(久光製薬スプリングス・引退)
荒木絵里香選手(東レアローズ→上尾メディックス→トヨタ車体クインシーズ)
関李香選手(岡山シーガルズ・引退)
井上奈々朱選手(デンソーエアリービーズ→日立リヴァーレ)
川島亜依美選手(岡山シーガルズ)
岩坂名奈選手(久光製薬スプリングス)
森谷史佳選手(パイオニアレッドウイングス→久光製薬スプリングス)
二見梓選手(東レアローズ→ビーチバレー転身)
島村春世選手(NECレッドロケッツ)
大野果奈選手(NECレッドロケッツ)
帯川きよら選手(筑波大学→久光製薬スプリングス)
伊藤望選手(東レアローズ)
大竹里歩選手(デンソーエアリービース)


・セッター

中道瞳選手(東レアローズ)
松浦真琴選手(NECレッドロケッツ・引退)
松浦寛子選手(PFUブルーキャッツ)
藤田夏未選手(トヨタ車体クインシーズ・引退)
細川絢加選手(日立リヴァーレ→トヨタ車体クインシーズ)
橋本直子選手(JTマーヴェラス→日立リヴァーレ)
田代佳奈美選手(東レアローズ)
宮下遥選手(岡山シーガルズ)

*永松幸乃選手(日立リヴァーレ・引退)
*追加招集



・リベロ

吉田真未選手(パイオニアレッドウイングス・引退)
井野亜希子選手(アゼリョン・バクー・引退)
座安琴希選手(久光製薬スプリングス)
佐藤あり紗選手(日立リヴァーレ)
山岸あかね選手(上尾メディックス)
鳥越未玖選手(NECレッドロケッツ)
丸山亜季選手(岡山シーガルズ)

※赤字はリオデジャネイロオリンピック出場選手

この年は「世界一への改変」の年。
主に若手選手を中心とした選手起用が行われ、総勢46名という大人数が選出された。

結果として、リオデジャネイロオリンピックに選出されたメンバーのうち、山口舞選手を除く11名は2013年組。
4年掛けた人選はほぼ振り出しに戻り、この年のメンバーから選出されることになるが、

それは少し先の話。

竹下、大友選手が引退。
荒木選手が結婚、出産。
佐野、井上、山口選手が一線から退き、
大幅な編成替え。

こうしてみると、移籍した選手のまあ、何と多いこと。
それだけアスリートの4年間は、大事なのだ。

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注目はポスト竹下とポスト佐野。
偉大な両選手の穴を埋めるのは誰か?

キャプテンには一度、引退を決意していた木村沙織選手が就任。
眞鍋監督があししげく何度もトルコに足を運び、やっとの末に口説き落としての就任。

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木村キャプテンによる新体制作りとなった。

迫田、中道選手が故障で出遅れ、木村、江畑、新鍋選手以外は全て若い選手。ロンドン未経験者。

土台以外はほぼゼロからの船出となった。


全日本は国内合宿からスイス合宿を経て、モントルー・バレーマスターズに出場。

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若手中心のメンバー編成の中、全日本は5位に留まる。

この大会には長岡望悠、今村優香、島村春世、座安琴希、石井優希、中村亜友美、岩坂名奈、藤田夏未、高橋沙織、大竹里歩、松浦寛子、石井里沙選手など、後に全日本で、Vリーグで主力となる選手が勢ぞろい。

この大会で長岡選手はベストスパイカー賞を受賞。飛躍のきっかけを掴む。

更に、日本、イタリア、トルコ、ブラジルの四ヶ国で争うイタリア四ヶ国対抗では古賀紗理那選手が合流し、全日本シニアデビュー。日本はイタリアにフルセット勝利したのみの1勝3敗。

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更にオランダとの親善試合に臨む。
全4試合消化し、こちらは1勝3敗の結果に終わった。

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殆どが世界と初めて闘う選手の中で、その高さや速さを体感する。

そして、遠征は続き、アメリカとの親善試合へ。

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この年の全日本の活動は長い。
ワールドグランプリを経て、世界バレーアジア最終予選、アジア選手権、そしてグラチャン。

そこへ到達するための人選も兼ねている。

アメリカ親善試合からようやく、木村沙織、江畑幸子、新鍋理沙選手、ロンドン組に加え、橋本直子、宮下遥選手とセッターは総入れ換え。川島亜依美選手も加わる。

長岡、石井、大竹選手らに混じり、宮下選手も参加。後の全日本の主力が少しずつ集まってくる。

このアメリカ親善試合は3試合が組まれ日本の三連敗に終わる。特に最終戦はフルセットに持ち込むも、終盤サーブレシーブが崩され、惜しい敗戦となった。

これで一連の遠征を切り上げた全日本は、国内合宿に場を移し、次なる闘いに備える。

ワールドグランプリだ。

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国際大会にして唯一の毎年開催。
各国の調整用の色が濃く、その割には長い連戦となるハードな大会。

同大会には総勢22名ものメンバーがエントリー。モントルーから参加したメンバー、さらにユニバーシアードに参加した佐藤あり紗、近江あかり選手や、森谷史佳選手らがエントリー。
迫田選手は登録のみとなった。

日本は主催国特権のため、決勝ラウンドへの進出が決まっている。
予選ラウンドで新生全日本は快進撃。
タイ、アルジェリア、トルコ、ドイツ、カザフスタン、ポーランドと連勝を重ねる。しかし、第七戦のブルガリア戦でストレート負けを喫すると、アメリカ戦も連敗。チェコ戦を大苦戦の末にフルセット勝ちを収めると息を吹き返し、決勝ラウンドへ。
イタリア戦をストレート勝利に収めるも、若いチームには敷居が高く、ブラジル、セルビア戦を落とし、中国にはフルセットの末惜しくも敗れた4位で終える。

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ベストスパイカー賞は中国のシュ・テイ選手が受賞。そして第二位は久光製薬スプリングスにも席を置くセルビアのエース、ブランキッツア・ミハイロビッチ選手が受賞。

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この両名はリオデジャネイロオリンピックの決勝で雌雄を決することになるのだが、それはまだ先のお話。

時代は新たな主役の登場を迎えていた。

その僅か3日後、全日本は世界バレーアジア最終予選に参加。過密スケジュールだ。

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僅か4試合のミニ大会だが、翌年の世界バレーへの出場権が懸かっている。オリンピックと同格の三大大会のひとつ。
その規模はオリンピックをも遥かに上回る。

出場メンバーはワールドグランプリから大幅にシェイプされた14名。ウイングスパイカーは木村、江畑、新鍋選手のロンドン組に加え、長岡、石井、近江選手ら新世代組。ミドルブロッカーは岩坂、平井選手に加え、若い大竹選手。

2013年のメンバーが固まってきた。

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ここで日本は、チャイニーズタイペイ、ベトナム、オーストラリア、タイをストレートで降し、翌年の出場切符を勝ち得る。


しかし、全日本に休む暇はない。

その僅か5日後、今度はアジア選手権に出場するため、タイに飛ぶ。

メンバーは世界バレーアジア最終予選と同一。

久しぶりの優勝の機運、高まる。

予選ラウンドでベトナム、インドネシア、ホンコンチャイナを降した日本は決勝ラウンド初戦で地元タイに敗れる。
しかし、続くカザフスタンとイランを降し、準決勝では韓国を降し、タイとの決勝戦へ。
先のリベンジを狙う日本だが、地元の大声援を受けるタイを相手にミスが目立ち、ストレートで敗退。準優勝で終わる。

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この試合を経験した木村、長岡、宮下、石井選手らはタイと、OQTで日本バレー史上に残る大接戦を演じることになるのだが、それは3年後の話。

ここで一連の海外遠征を終えた全日本は国内合宿で年内最後の調整を行う。

そう、ワールドグランドチャンピオンズカップに出場するためだ。

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ここで、ある変化が起こった。

ロンドンメンバーである迫田さおり、中道瞳選手の両名がチームに合流。

もうひとりのセッターは、急遽日立リヴァーレから永松幸乃選手が招集される。

そして、最大の焦点は新戦術。

MB1。
ミドルブロッカーを一枚減らし、オポジットをコートへ2名同時にコートインさせる攻撃的シフト。

ミドルブロッカーのポジションには迫田さおり選手と長岡望悠選手が入り、メインセッターは中道選手が務める。

江畑選手が直前の練習で故障し、抜擢されたのは石井優希選手。座安選手は膝の故障が悪化。佐藤あり紗選手がレギュラーリベロを務める。

初戦のロシア戦を勝利で飾るも、続くアメリカ戦は1ー3で敗れる。ドミニカ共和国との一戦をストレートで勝利し3勝1敗。金メダルの可能性を残し、最終戦のブラジル戦へ。
序盤リードした日本だったが、接戦の末にこれを落とすと、ストレートで敗退。
敗れはしたが銅メダルに輝いた。

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この大会で迫田さおり選手がベストスパイカー賞、中道瞳選手がベストセッター、ベストリベロ賞には佐藤あり紗選手が輝いた。

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新戦術に一応の手応えを掴んだ全日本。
翌年、MB1は更なる進化をすることになるのだが、果たして、その成果は?

(続く)