人間は躍進を続けていると気力が充実し、アドレナリンが分泌する。
痛さを忘れたり、病気しなくなったり、治癒力が上がったりする。
生存本能というやつだ。

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ところが、気力が減退するとモチベーションが下がり、治癒力も下がる。

病は気からというのはこのことだ。

とは言え、一度下がったモチベーションを戻すのは簡単ではない。

溜まったストレスを吐き出したり、強い感銘を受けたりすることにより一時的に回復するが、結局のところ、常に安定した力を発揮するには強く強靭な意思を持つしかない。

何にも屈しない強い性根。これを根性という。

悲しいことに、根性のような精神論が排除されつつあるが、勝負の明暗を左右するのは、やはり根性。

メンタル云々言うが、健全な肉体には健全な精神が宿る。
まず、そこが基本。


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さて、天皇杯・皇后杯が終わり、バレーボールファンの注目は年明けの春高、そして年明けからのVリーグへと視点が定まる。そんな中、NECレッドロケッツの内定選手の入団が発表された。

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 小島 満菜美選手
 
出身校: 青山学院大
 ポジション: リベロ
 身長: 159cm
 最高到達点: 260cm
 
経歴:
2013年
関東大学リーグ春 新人賞・リベロ賞
全日本インカレ 準優勝
世界ジュニア選手権 準優勝・リベロ賞

2015年
ユニバーシアード大会 3位

2016年
東アジア大会出場
 
・小島選手のコメント
 NECレッドロケッツの一員になれることに感謝をし、少しでも早くチームに溶け込み、勝利に貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします
 


塚田 しおり選手
 
出身校:川崎橘高校 → 筑波大
ポジション: セッター
身長: 174cm
最高到達点:280cm

経歴:
2012年 高校総体 優勝

2015年
関東大学リーグ(春・秋) 優勝
東日本インカレ 3位

2016年
関東大学リーグ(春) 優勝
東日本インカレ 準優勝 セッター賞・敢闘賞
東アジア選手権大会 準優勝
関東大学リーグ(秋) 優勝 セッター賞

・塚田選手のコメント
NECレッドロケッツでバレーボールができることに感謝をし、早くチームに馴染み、自分の持ち味を発揮したプレーをしたいと思います。そして、チームの勝利に貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします
 


・ 山内 美咲選手

出身校: 東海大
ポジション:サイド
身長: 172cm
最高到達点: 305cm
 
経歴
2013年 :
世界ジュニア選手権:準優勝

2014年:
関東大学リーグ(春) 優勝

2015年:
ユニバーシアード大会 3位
U23アジア選手権大会 4位
U23世界選手権大会  4位

2016年:
関東大学リーグ(春) 準優勝・敢闘賞
東日本インカレ ベストスコアラー賞・サーブ賞
東アジア選手権大会 準優勝
AVCカップ 4位

・山内選手のコメント

チームの一員になれたことを嬉しく思います。沢山の応援を力に変え、チームの勝利に貢献できるよう努力を重ねていきます。応援よろしくお願いします
 

3名の内定選手はいずれも大学生。それも世界での活躍経験豊富な実力派揃い。
小島選手は世界ジュニアで銀メダルを獲得、昨年のユニバーシアードの銅メダルメンバー、今年の東アジア選手権でも準優勝と世界経験も豊富なリベロ。
塚田選手は川崎橘高校時代にインターハイで優勝経験を持ち、今年の東アジア選手権準優勝を経験した長身セッター。
山内選手は世界ジュニア選手権銀メダル、ユニバーシアード銅メダル、東アジア選手権銀メダルと世界の各大会で活躍してきた実力派。身長こそ大きくないものの高い身体能力を誇り、今後が注目されるアタッカーです。

3人の内定選手が加わり、より一層選手層を増したNEC。
早ければ来年から活躍する場面もありそうです。期待しています。


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昨日25日(日)より、第30回全国都道府県対抗中学バレーボール大会が開幕しました。

JOC


JOCジュニア


同大会は、将来のオリンピック選手の発掘と中学生バレーボールのレベルアップを図り、また各チームとの交流を通して友情を深めスポーツマンシップの高揚に努めるとともに、中学生指導者の研修の場とすることを目的の大会。

試合速報はこちらからジャンプ → 試合速報

リーグ戦組み合わせ表はこちらからジャンプ →第30回全国都道府県対抗中学大会 女子 リーグ戦組合表

決勝トーナメント表はこちらからジャンプ →第30回全国都道府県対抗中学大会 女子 決勝トーナメント戦組合せ表




・日程
25日(日)~26日(月) グループ戦
27日(火)決勝トーナメント 1回戦~3回戦
28日(水)準決勝 決勝戦

非常にタイトなスケジュールですが、この4日間で中学日本一が決定します。

将来のオリンピック候補の闘いにご期待下さい。

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さて、昨日終わった天皇杯・皇后杯の結果にて

結局のところ、国内の最高峰はVリーグ。
それを天皇杯・皇后杯の結果が証明した。

春高のことは改めて特集するとして、まずは天皇杯・皇后杯ファイナルラウンドをおさらいしたい。


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トーナメント表




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・トーナメント1回戦

旭川大学 0-3 上尾メディックス(C1)
(16-25 20-25 9-25)
※上尾メディックスが勝利。

龍谷大学 0-3 誠英高校(D1)
(15-25 21-25 19‐25)
※誠英高校が勝利。

JAぎふリオレーナ 2-3 東海大学(C2)
(25-20 22-25 25-21 22-25 10-15)
※東海大学が勝利。

KUROBEアクアフェアリーズ 3-2 鹿屋体育大学(D2)
(11-25 25-18 16-25  25-23 15-11)
※KUROBEアクアフェアリーズが勝利。

福岡大学 3-0 CLUB EHIME(C3)
(25-15 25-14 25-14)
※福岡大学が勝利。

筑波大学 3-1 仙台ベルフィーユ(D3)
(20-25 25-22 25-21 25-19)
※筑波大学が勝利。

大阪体育大学 3-2 東九州龍谷高校(C4)
(25-17 22-25 25-17 16-25 15-13)
※大阪体育大学が勝利。

デンソーエアリービーズ 3-0 金城大学(D4)
(25-6 25-15 25-14)


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・一回戦で番狂わせを演じたのは誠英高校。龍谷大学を見事ストレートで降し、堂々の二回戦進出を決めた。そして、大学バレー屈指の強豪校・東海大学がJAぎふリオレーナをフルセットの末勝利。全日本インカレの準優勝・筑波大学が仙台ベルフィーユを3-1で降し、二回戦進出を決めている。

注目の大阪体育大学と東九州龍谷高校との一戦はフルセットの激戦の末、大阪体育大学が勝利。寸でのところで東龍は涙を呑んだ。

この結果により、高校、大学の強豪校はチャレンジリーグⅠの中堅チームとも互角に闘えることが証明された。



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・トーナメント二回戦

久光製薬スプリングス 3ー2 上尾メディックス
(25ー19 28ー30 25ー13 21ー25 17ー15)
※久光製薬スプリングスが勝利。

誠英高校 1ー3 PFUブルーキャッツ
(16ー25 21ー25 25ー20 17ー25)
※PFUブルーキャッツが勝利。

東海大学 0ー3 トヨタ車体クインシーズ
(19ー25 16ー25 19ー25)
※トヨタ車体クインシーズが勝利。

KUROBEアクアフェアリーズ 0ー3 NECレッドロケッツ
(11ー25 15ー25 16ー25)
※NECレッドロケッツが勝利。

福岡大学 0ー3 東レアローズ
(19ー25 14ー25 11ー25)
※東レアローズが勝利。

筑波大学 0ー3 岡山シーガルズ
(17ー25 13ー25 21ー25)
※岡山シーガルズが勝利。

大阪体育大学 0ー3 JTマーヴェラス
(16ー25 23ー25 11ー25)
※JTマーヴェラスが勝利。

デンソーエアリービーズ 1ー3 日立リヴァーレ
(23ー25 19ー25 25ー19 25ー27)
※日立リヴァーレが勝利。

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一回戦の結果を受け、Vプレミアリーグ勢の胸を借りる二回戦。
しかし、結果は全チームがVプレミア勢に返り討ちされ、順当な結果となった。

二回戦最大の激戦は久光製薬スプリングスと上尾メディックスとの一戦。
最終セット終盤までもつれる激戦は久光が上尾を振り切って辛くも勝利。
注目された誠英高校はPFUから第三セットを奪うも、無念の涙を呑んだ。この口惜しさは来年の春高にぶつけて貰いたい。
デンソーは日立に肉薄、好ゲームを見せるも、Vプレミアリーグ首位の意地を見せ、3ー1で降りきる。



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・準々決勝


久光製薬スプリングス 3ー0 (26ー24 25ー21 25ー14) PFUブルーキャッツ
※久光製薬スプリングスが準決勝進出。


トヨタ車体クインシーズ 1ー3 (25ー23 19ー25 21ー25 17ー25) NECレッドロケッツ
※NECレッドロケッツが勝利。


東レアローズ 3ー1 (18ー25 25ー21 25ー22 25ー23) 岡山シーガルズ
※東レアローズが勝利。


JTマーヴェラス 2ー3 (25ー20 20ー25 25ー21 29ー31 7ー15) 日立リヴァーレ
※日立リヴァーレが勝利。

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・準々決勝最大の激戦となったのはJTと日立の対戦。
第四セット29-29の大熱戦となった最大の山場を制した日立が、その勢いで最終セットを奪い、死闘に終止符を打って準決勝へ駒を進める。




■準決勝

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久光製薬スプリングス 3-1 (25-19 21-25 27-25 25-22) NECレッドロケッツ


・久光製薬スプリングスのスターティングメンバー

・サイド:新鍋理沙選手、石井優希選手
・オポジット:長岡望悠選手
・センター:マヤ・トカルスカ選手、水田祐未選手
・セッター:中大路絢野選手
・リベロ:筒井さやか選手、戸江真奈選手


・NECレッドロケッツのスターティングメンバー

・サイド:近江あかり選手、古賀紗理那選手
・オポジット:柳田光綺選手
・センター:島村春世選手、大野果奈選手
・セッター:山口かなめ選手
・リベロ:鳥越未玖選手

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・ベストスコアラー
長岡望悠選手(久光製薬スプリングス)
33得点

大会5連覇が懸かる久光で終始安定したプレイを見せた長岡選手。黄金の左腕で決勝への切符を掴み取る。
NECは柳田選手が25得点を奮戦するも、古賀選手が封じられ、準決勝で涙を呑む。






東レアローズ 0-3 (19-25 18-25 14-25)日立リヴァーレ


・東レアローズのスターティングメンバー

・サイド:木村沙織選手、迫田さおり選手、堀川真里選手
・センター:カーリー・ウォーパット選手、伊藤望選手
・セッター:白井美沙紀選手
・リベロ:木村美里選手


日立リヴァーレのスターティングメンバー

・サイド:遠井萌仁選手、内瀬戸真実選手
・オポジット:渡邊久恵選手
・センター:ジャクソン・カースティー選手、井上奈々朱選手
・セッター:佐藤美弥選手
・リベロ:佐藤あり紗選手


・ベストスコアラー
渡邊久恵選手(日立リヴァーレ)
18得点

気力充実、まさにエースの活躍で勝利に貢献した渡邊選手。
明日の決勝戦でも活躍が期待できそうだ。

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■ 決勝戦


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久光製薬スプリングス



3ー0
(25ー16 25ー18 25ー17)

日立リヴァーレ


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・久光製薬スプリングスのスターティングメンバー

・サイド:新鍋理沙選手、石井優希選手
・オポジット:長岡望悠選手
・センター:マヤ・トカルスカ選手、水田祐未選手
・セッター:中大路絢野選手
・リベロ:筒井さやか選手、戸江真奈選手



日立リヴァーレのスターティングメンバー

・サイド:遠井萌仁選手、内瀬戸真実選手
・オポジット:渡邊久恵選手
・センター:ジャクソン・カースティー選手、井上奈々朱選手
・セッター:佐藤美弥選手
・リベロ:佐藤あり紗選手

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第一セット、先制攻撃は久光。石井選手の連続アタックと水田選手のブロックで3ー0。日立は直ぐに井上選手と芳賀選手をスイッチ。双方一点ずつ奪いあう中、新鍋選手のアタックとマヤ選手のブロックでブレイクした久光が、更に長岡選手のアタックで8ー4とし折り返す。
日立は渡邊選手のアタックと石井選手のアタックミスを挟み、更に渡邊選手が決めて3連続得点を奪い、7ー9と2点差に迫る。しかし久光は長岡選手の連続アタックと石井選手のアタックで3連続得点を奪い12ー7と再び突き放す。双方一進一退から長岡選手が連続アタックを決めて16ー10で久光が6点リードで終盤へ。
勢いに乗る久光は新鍋選手のアタックとブロックでブレイク、更に19ー13からマヤ選手の速攻と渡邊選手のアタックアウトを挟み、更に水田選手のブロックで三連続得点を奪い、22ー13と大量リードを奪うと、最後は日立にミスが重なり、久光が25ー16で第一セットを先制する。

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戦局を打開したい日立は芳賀選手をスタートこら投入。その第二セット、前半は一進一退。4ー4から日立はジャクソン選手の速攻と遠井選手のサービスエースでブレイク、6ー4とすると、久光のサーブミスと渡邊選手のアタックで8ー5で日立リードで折り返す。
日立9ー6から久光は長岡選手のアタックから、渡邊選手のアタックアウトを挟み、長岡選手のアタック、水田選手の連続ブロックで5連続得点を奪い、11ー9と久光が逆転。さらに久光はこの好機を逃さず、長岡、新鍋選手の連続アタック、マヤ選手のブロックとアタックで4連続得点を奪い15ー10と形勢逆転。日立は長内選手を投入し打開を図り、久光の連続ミスで二点を返した日立だが、マヤ選手のブロックで久光が16ー12で終盤へ。
日立は更に間橋選手を投入するも、久光は手を緩めず、長岡選手のアタック、新鍋選手のブロックとアタックで三連続得点を奪い、19ー12とリードを広げる。更に日立は井上選手をコートに戻すとマヤ選手のサーブアウトとジャクソン選手の速攻でブレイク。しかし久光はすぐに長岡、石井選手の連続アタックで反撃し、23ー16。最後は間橋選手のアタックがアウトとなり久光が25ー18でセットを連取する。

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何とか打開したい日立。井上選手を再びスタートから起用。しかし、久光の勢いは止まらない。1ー1から長岡、水田、新鍋、水田選手の4連続アタックで5ー1と一気に突き放す。日立は内瀬戸、渡邊選手の連続アタックで三連続得点を奪い反撃。4ー5と迫る。しかし新鍋選手のアタックで攻守を入れ換えた久光は長岡選手のアタックとマヤ選手のブロックで三連続得点を奪い久光8ー4で折り返す。
双方ブレイクのないまま、久光11ー8の局面から久光は長岡選手のアタックと石井選手の連続アタックで三連続得点を奪い14ー8とすると、更に長岡選手の連続アタックで16ー9とリードを広げ、終盤へ。
日立はセッターを下平選手にスイッチし、打開を図ると、渡邊選手が連続アタックでこれに応え11ー16とする。更に石橋選手のサーブミスから渡邊選手の連続アタックと新鍋選手のアタックアウトで15ー17に迫る。この局面で久光は長岡、新鍋選手の連続アタックと長岡選手のサービスエースで三連続得点を奪い、20ー15と突き放す。日立はセッターを佐藤美弥選手に戻すも、ミスが重なり苦しい展開。石井選手のアタックで24ー17とした段階で古藤、野本選手を二枚換えで投入した久光は、その野本選手が決めて、25ー17で勝利。久光製薬スプリングスが天皇杯・皇后杯を優勝。

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五連覇を達成しました久光製薬スプリングスの皆さま、優勝おめでとうごさいます。

久光優勝




・ベストスコアラー
長岡望悠選手(久光製薬スプリングス)
22得点

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この試合で57%と群を抜く決定率を示した長岡選手がベストスコアでチームに天皇杯・皇后杯五連覇をもたらす。
特にこの試合は高さのない日立を攻略するためのブロックが12本と機能。日立はゼロと明暗を分けた。渡邊選手も本領発揮とは行かず、天皇杯・皇后杯制覇は今後に持ち越しとなった。

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久光の五連覇で幕を閉じた天皇杯・皇后杯。
果たして、来年はどんな大会となるか。

また、Vリーグの様相はどんな風に変化していくか。
全ては来年のVリーグ再開まで、しばしお預けとなる。