玄人好みの技。
ターン打ちと見せかけてのストレート。
ネット際の押し合いも強い。
抜群のコース打ち。

日本バレー界屈指のテクニシャン。
隠れファンが多いこの選手は
ユメさんこと山口舞選手。

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男女問わず、ユメさんに憧れる人は多い。
そんな彼女の自己主張は、その変幻自在なプレイスタイル。



・コートネーム:ユメ

・シャツネーム:YAMAGUCHI

・生年月日:1983/07/03

・身長(cm):176.0

・最高到達点(cm):298.0

・サージャントジャンプ(cm):68.0

・出身地:三重県志摩市

・出身校・前所属チーム:大阪国際滝井高校



■個人成績・戦績:

・個人タイトル

2011 Vリーグ栄誉賞

2011/12 Vプレミアリーグ ベスト6

2013/14 Vプレミアリーグ ベスト6



・団体成績

・全日本

2010年世界バレー 銅メダル

2012年ロンドンオリンピック 銅メダル

2014年 ワールドグランプリ 銀メダル



・Vプレミアリーグ

岡山シーガルズ

Vプレミアリーグ 2013/14 準優勝

2013年天皇杯・皇后杯準優勝

国体優勝
2008、2009、2010、2014、2015



・高校

大阪国際滝井高校

インターハイベスト8


山口選手は2013/14シーズンから岡山シーガルズのキャプテンを務める。
そんな彼女は元々ウイングスパイカー。
その器用さと適応力の高さを買われ、ミドルブロッカーを務めた。

きっかけは全日本。

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第一期眞鍋ジャパンは故障者が多く、中々思うようなオーダーが組めない。2009年、第一期眞鍋ジャパンのメンバーとして全日本入りを果たした山口選手はワールドグランプリで国内デビューを果たす。続くグラチャンではメンバー落ちとなるも、狩野舞子選手の故障を受け、急遽出場。同大会での活躍で山口選手は全日本でのポジションを築き、翌年の世界選手権3位へと繋がっていく。

そんなユメさんの更なる転機もまた、全日本。
2011年の全日本はミドルブロッカーの度重なる故障に見舞われた。キラユメコンビの相棒こと井上香織選手がVリーグの試合で右肩を脱臼。ワールドカップへの出場が見送られ、大友愛選手がアジア選手権で故障。山口選手は急遽ミドルブロッカーでの出場を強いられた。
そして、ロンドンオリンピックへの出場権の懸かったワールドカップ。ユメさんはミドルとして、そしてサイドとして、八面六臂の活躍を見せた。ワールドカップは4位に終わったが、あのブラジル戦とアメリカ戦、熱狂のコートにいた。そしてアメリカ戦で奇跡のストレート勝利に大きく貢献。この活躍によりユメさんの全日本でのポジションは不動のものとなる。

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ここから先の出来事を一部始終書くと「大長編 山口舞」になってしまうので割愛するが、ユメさんはあの伝説のロンドンオリンピックで銅メダリストとして帰って来た。

オリンピックのメダリストになったユメさんに、もうひとつの目標があったとすれば、それはひとつ。目指すは悲願のシーガルズ初優勝。

事実、若返りを図る第二期眞鍋ジャパンの2013年、全日本にユメさんの姿はなかった。勿論、キラさんも、テンさんも、リョウさんも。このシーズン、岡山シーガルズは優勝争いをしていた。相手は中田久美監督率いる久光製薬スプリングス。山口選手はキャプテンとしてチームを率いるも、ファイナルで敗退。
悲願の優勝を逃した。

だが、この勲章は再びユメさんを世界のコートへ引き戻した。
第二期眞鍋ジャパンの秘策・ハイブリッド6。
従来のウィングスパイカーとミドルブロッカーを刷新しアタッカーをパスヒッターとポイントゲッターに分けたこのスタイルにおいて、サイドとセンターを両方こなすユメさんはうってつけの存在だった。

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佐野選手、石田選手と第一期眞鍋ジャパンのメンバーが代表復帰する中、山口選手は存在感をアピール。ワールドグランプリでは序盤こそ苦戦したものの、後半快進撃を続け銀メダルの快挙を成し遂げた。しかし、この快進撃により手の内を見破られた全日本は、続く世界バレーでは苦戦。第二ラウンドであえなく姿を消した。翌年以降、全日本は新戦術を諦め、オーソドックススタイルに戻すことになるが、ユメさんの需要はなくなるどころか、より大きくなってゆく。

ミドルブロッカーとしても高い技術を誇るユメさんは、全日本の切り札として2015年、そして2016年、常に第一線を張った。
ハイライトはリオデジャネイロオリンピックの世界最終予選、最終戦のオランダ戦。

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オランダ2ー1で迎えた第四セット、終盤、全日本のミドルが冴えを見せる。最初のセットポイントを奪ったのはユメさんのブロード。この試合、セッター田代選手が果敢にミドルを使い、ユメさんと島村選手がこれに応える。30点を超える大接戦を物にした日本はフルセットの死闘を制し、日本はアジア1位として大手を振ってリオに駒を進めた。

だが、ユメさんの夢は準々決勝で潰えた。
苦戦の末、アルゼンチン戦で予選を突破したものの、迎えたアメリカ戦。
日本は果敢に攻めるも、第一、第二セットを失い、第三セットも苦戦。
そのコートの上に、ユメさんもいた。
全日本は13-20から木村選手を中心に7連続得点を上げ、奇跡の同点に追いつく。
最後は力尽き、セットポイント3-0で敗れた。

最後、先輩に泣きつくように号泣する木村沙織選手を抱きかかえ、ユメさんのリオは終わった。

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だが、ユメさんに落ち込んでいる暇はない。
チームに戻れば、岡山シーガルズのキャプテンとしての仕事が待っている。
まだ、山口選手の挑戦は終わった訳ではない。

Vリーグに籍を置く全ての人間の目標である、Vプレミアリーグの優勝こそが、今のユメさんの最大の目標。
先輩の岡野選手や森和代選手の意思を継ぎ、今日も明日に向かってひた走る。

自身の意思が続く限り、体の許す限り、続けて欲しい。

Vリーグのコートで、蝶のように舞い、蜂のように刺す・山口舞選手。
日本屈指のテクニシャンが、今日も軽やかにコートを舞う。