何だかんだで日本のプロスポーツの中で一番メジャーなのはプロ野球だ。

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勿論、プロ野球ファンといっても同じではない。
12球団ある。
阪神ファンの集まりの中でうっかり巨人の話をしようものならば、たちまち居場所がなくなる
阪神ファンのたまり場の飲み屋さんやスポーツバーなどで巨人の話などご法度だ。

特に阪神ファンのガラの悪さは群を抜いている。

とまあ、こんなのは日常よくある光景だ。


だが、バレーボールの場合はちと違う。

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悲しいことだが、日常会話でバレーボールの話をすることは、一般社会ではほとんどない。
説明してもかなり大雑把な部分しか知らない。
木村沙織選手とかごく一部の選手しか知らない。

これではアニオタと一緒、いや厳密にはアニオタよりもファン人口が少ない。
これがVリーグの各チームのファンとなると、一般的に遭遇する確率は皆無に等しい。

悲しいことだが、まだ、これがバレーボールの現実だ。

バレーボール人口がそもそも少ない。
筆者の中学校にもバレー部はなかった。

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地域によってはバレーボールよりハンドボールのほうが盛んな場所も多い。
ライバルはBリーグの創設で話題になっているバスケットボールに限った話ではない。

まずは気軽にバレーボールに楽しんで貰うことが先決。
…なのだが、ファンの多くは狭量だ。
縄張り意識のように自分の常識を振りかざす。こうした光景は珍しくない。

例えば、バレーボールの世界だけ起こっている矮小な問題として、無断転載の問題があった。

客観的にみても、不思議に思った。
他のスポーツではそんなもの見たことがない。

you tubeでバッタもんが溢れ変えるこのご時世で、一体何が問題なのか、と思った。

何よりよく分からないのが、無断転載禁止といいながら連日ベタベタ貼っている。まるで盗んでくれと言わんばかり。
話が矛盾している。

第一、こんなこと一般社会の方は誰も知らない。

日本の日常社会的見地からすれば、ほんの片隅で起こっている出来事。
それも、バレーファン以外の方が聞けば、引いちゃうような出来事。

これではバレーボールがマイナースポーツと取られても仕方ない。

また、会場応援に目を移す。

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一度でも会場に足を運んだことのある方なら分かるが、その客層は、

ファンクラブや各チームの企業が作った私設応援団が3〜4割。

あとは地元、あるいは試合に出場しているチームと何らかの関連のあるバレーボールチームの少年少女が約2〜3割。

大きな望遠レンズ付きのカメラを抱えた真性バレオタのおじさんと、試合のない女子バレーボール選手がそれぞれ約1割。

あとは親御さんあるいは企業の伝手などで物見遊山で来ている一般の方と普通のバレーファンが1割。

大体こんな内訳。


Vリーグの場合、会場で各チーム色とりどりの応援団がいて、エール交換がある。こうした光景はアマチュアイズムというかスポーツマンシップに則る清々しい光景。

これが全日本になると、ぐっと雰囲気が違う。

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観客動員数や華やかさが歴然。
それも女子の声援が大多数。
会場の雰囲気はジャニーズのコンサート会場と、宝塚とプロレスの熱狂を足して3で割ったような雰囲気。

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初めて見た人はその特殊な雰囲気に圧倒される。

全日本の試合というのは、競馬でいうGI競走みたいなもの。
普段競馬をやらない人もGI競走だけはお祭り気分で参加する。あの雰囲気に近い。
だから、バレーファンの中には全日本だけ応援してる人がかなりの割合を締めている。

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これが現実。

何より致命傷なのが、若い男子のバレーファンが少ない。
この層を捉えないと大きなムーブメントにはならない。
おじさんばかりでは先行きたかが知れている。

例えば今朝、カローラのユーザーが高齢になっているという記事を読んだ。
カローラという車種が継続して販売されてきたのは、それまでのユーザーが継続して乗り続けるというのがそれを支えてきたらしい。しかし、若いユーザーにはそうした意識がないから、カローラのバリューを知らない世代が中心になると、いずれ淘汰されるだろうという。
これと同じようなものだ。

何より、バレーボールを特殊な世界にしてしまっているのは、他の誰でもないファン自身。


そもそも、小首を傾げるのが、観客動員に収益を頼る点。

ある競技に言わせると、TV放映の収益の方が、観客動員よりもかなり重要で、実際その収益源をTV放映料に頼るケースも少なくない。F1がそうだ。10億人の視聴者がいれば、莫大な放映料が手に入るため、各国で実施されるGPの観客による収益料は大した問題ではないそうだ。


例えばプロ野球の場合、1回辺りの観客動員は東京ドームを超満員札止めだったとして6万人。
一試合辺り4万1000人。

バレーボールだと最も収容人員が多いとされる東京体育館でも1万人。少ないところでは数百人単位。
これでは同じ土俵で闘おうとするのが間違っている。

バレーボールのチケットは高い。
観客動員の少なさをチケット代で埋めるという発想がそもそもの間違い。

何故なら、これからバレーボールを見に行こうという人がチケット代の高さで二の足を踏んでしまう可能性が大だからだ。人間の心理で考えると、初めから5000円を突き付けられるのと、2000円スタートとではかなりの印象が異なる。

例えば、体育館が狭くて、観客動員に限界があるのならそれに変わるものを用意すればいい。

リオデジャネイロオリンピックの時はパブリックビューイングを導入していた。
ライヴ配信で、しかも元選手の生解説まで聴ける。ああいったことをPRで行う。

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それも人が多く来る公園などで行えば、そこから興味を持つ方が増える筈。
将来的には会場に行けない人にも500円ぐらいで入場出来るようにすれば、かなり集まるのでは。

それ以外にも方法がある。

新日本プロレスなどでやっていた3Dを各映画館などライヴ配信でやる。

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それも格安でだ。

立体映像だから会場で見るよりも臨場感があるだろうし、お手軽な価額に見られるようにすれば、遠方の方でも手軽にバレー観戦が出来る。

それも実物大とかで見られれば、バレーボール選手の大きさを体感出来るだろう。

「全日本」の頃に書いた通り、関税で関所を儲けて収益を上げるのと、楽市楽座で儲けるのと違いのようなもので、まず参加人数を増やさないと、その先の発展もない。

目先の収益よりもまずは参加人口を増やすのが先決。
だから門戸を広く開けないと、それも無理。

ファンが大手を振ってバレーボールを楽しめるように。

もっと気軽に誰でもバレーボールを楽しめるように。